カズッチョ・タルレッティ キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ 2009
畑の標高は350m、土壌は主に砂質で少し粘土が混ざっています。冬と春は雨が降り、夏は暑く乾燥しています。収穫は手摘みで行います。発酵は28度にコントロールしながらステンレスタンクで3週間行います。マロラクティック発酵もステンレスタンクです。熟成はフレンチオークとスラヴォニア産オークで行います。
【テイスティング・コメント】
褐色がかったエッジのルビー。粘性は中程度よりやや高め。香りにはチェリーやラズベリー、ローストしたトマト、ドライフラワー、タイム、樽からくるバニラ、シナモンやクローブなどのスパイシーなノート。そしてドライフルーツ的要素とともに広がる腐葉土やなめし革、タバコ、ジャーキーなどのブーケが続き、さらなる複雑さや奥行を生む。アタックはソフトでなめらか。熟成により丸みを帯びており、こなれたタンニン、酸味が調和。ビロードのような舌触りで集約された果実の旨み、程よいボディに十分なアルコール分を備えている。全体に柔らかくバランスのとれたエレガントな味わい。オークが馴染む甘いタンニンと長く続く余韻を持つ。合わせるお料理はローストビーフやハンバーグ、きのこのリゾット、トマトソースベースの料理、シチュー、熟成チーズなどがおすすめ。
※2017年1月試飲
■バロンチーニ家 オーナー:ブルーナ・バロンチーニ氏
バロンチーニ家の歴史は、今から約500年以上も前にまで遡ることができます。現在残る昔の系図によると、バロンチーニ家はサン・ジミニャーノの地に、1489年から所有権を得たという記録があります。それから何世紀か後、'60年代にジャウレス・バロンチーニがトップクラスのワイン造りでの成功を目指し、現在のカンティーナ・バロンチーニを立ち上げました。恵まれた土地と家族の協力、先を見越して少ずつ畑を買い足していき、事業は拡大していきました。
娘のブルーナは、父が亡くなった時に医学の道をあきらめ、トスカーナのそれぞれのD.O.C.G.にカンティーナを持つという父の夢を実現するための計画を立てました。現在彼女は畑にいたり、セラーでブレンドしたりと、ワインに携わることをこよなく愛しています。彼女が思い描く理想像は、テロワールに密着した、土地の個性が生かされたワインです。6つのカンティーナを所有し、特定の銘柄に特化した生産者が多いトスカーナでは珍しく、幅広いラインナップを生産しています。少ない人数で多くのカンティーナをコントロールすることで、規模と専門性、多品目でありながら効率的な運営という、相反する点を上手く融合させています。
カズッチョ・タルレッティ
ブルーナの父の夢は、トスカーナのすべてのD.O.C.G.に畑を持つということでした。キアンティ・クラッシコの畑がその最後で、ずっと探していましたが、やっと完璧な畑を見つけ、2009年に購入しました。それがこのカズッチョ・タルレッティです。「父の夢をかなえてあげたかった」と、ブルーナ。「カズッチョ」は有名な建物の名前で、ラベルに描かれています。タルレッティは、前の所有者の名前だそうです。