ドメーヌ・ユベール・ヴェルドロー ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2015
醸造:開放式のコンクリート・タンクにて低温で3日間マセラシオン、1日2回のピジャージュ、 28~30℃でアルコール発酵、 24日間キュヴェゾン。セメント・タンクで8ヶ月熟成。
【テイスティング・コメント】
紫がかったルビー。粘性は中程度。香りにはクランベリーやブルーベリー、スミレ、ドライハーブ、シナモンやクローブなどのスパイシーなノート。出所の良さを感じさせる華やかさと品格があり、他になめし革、マッシュルーム、レモンティー、鉄、森の下草、ミネラルのニュアンスが続く。アタックはソフトでなめらか。果実味は豊かで程よくスパイシー、ペッパーやハーブの風味が心地よいアクセント。柔らかでスムーズな広がりをみせ、新鮮味に溢れており酸とのバランスが素晴らしい。その根底にはミネラルが感じられ、味わいは軽やかながら旨みが集約されている。其々の要素がバランスよく溶け込んだミディアムボディ。フィニッシュは引き締まっていてエレガントな余韻を持つ。合わせるお料理は鴨肉のローストや治部煮、ローストビーフ、マグロのカルパッチョ、チーズであればウオッシュやセミハードタイプがおすすめ。
※2017年2月試飲
■ドメーヌ・ユベール・ヴェルドロー
ドメーヌ・ユベール・ヴェルドローは1994年にティエボー・ユベールによって設立されました。ドメーヌの名前は母親マリー・フランス・ユベールへのオマージュとして彼女の旧姓、ヴェルドローに由来しています。ヴェルドロー家は1974年までヴォルネイでヴィニュロンを生業としていました。1974年の父の引退を機に、マリー・フランスは2.90ヘクタールの畑を相続しましたが、当時は夫と3人の子供とともにアルザスに住んでおり、畑を貸し出すことにしました。
後に畑を引き継いだのは、息子のティエボー・ユベール氏。彼はストラスブールのホテル学校でホテル・マネージメントとソムリエの資格を習得し、カンヌのホテルで働いた後、ブルゴーニュの畑を受け継ぐことを決意。3年間ボーヌの大学で栽培と醸造を学びながら、従兄弟が経営するヴォルネイのドメーヌ・ジャン・マルク・ブレで働きました。1994年に自身のワインをリリースし、現在では9.5ヘクタールの畑をヴォルネイ、ポマール、ピュリニー・モンラッシェ、ムルソー、ブーズ・レ・ボーヌに所有し、14アペラシオンのワインを世に送り出しています。2000年頃からオーガニックを始め、2003年からはビオディナミをスタート、2005年には全ての畑をビオディナミに変換し、デメテールの認証を受けています。
ティエボー・ユベール氏
アルザス・ストラスブール生まれ。父親がアルザス出身(Huber)、母親がブルゴーニュ出身(Verdereau)。アルザスのソムリエ学校に通い、コート・ダジュールでソムリエとして従事。自身はソムリエとして働く中で、ニコラ・ジョリーや、ドメーヌ・ゴビー等ワインに感銘を受ける。1989年マルセル・ダイスでヴァンダンジュを経験。ブルゴーニュに畑があることを話すと、ジャン・マルセル・ダイスからワイン造りをすすめられる。1990‐1991年 道具をそろえ始め、1994年より3haの畑からワインを造り始める(ブルゴーニュ、ポマール、ヴォルネイ1級畑ロバルデル、ポマール1級畑ベルタン)。2005年にビオディナミにすべて転換。お手本はミシェル・ラファルジュ。