ドメーヌ・ユベール・ヴェルドロー ヴォルネイ プルミエ・クリュ レ・フルミエ 2013
畑:0.11ヘクタール、ポマール側のヴォルネイ、1987年植樹。
発酵中はルモンタージュを行う。樽で15ヶ月熟成(新樽50%)。12月初旬に一度澱引きし、月の周期に合わせて3月に瓶詰め。フルミエは常に繊細でエレガントであり、若い時でも表情豊かです。
【テイスティング・コメント】
紫がかったルビー。粘性は中程度。香りにはドライチェリーやカシス、チェリーリキュール、スミレ、リコリスが混じり合う凝縮したアロマに、バラのドライフラワー、シナモンやペッパーなどのスパイシーなノート。出しゃばらない樽香、新鮮味に溢れており華やかさとスパイシーさが一体となる。他にタバコ、なめし革、紅茶の葉、微かにトリュフ、ミネラルのニュアンスがあり複雑。アタックはソフトでなめらか。シルクのようなテクスチャーとピュアな旨みに溢れ、赤いチェリーやベリー、イチジクを思わせる風味が伸びやか。熟した甘さと酸とのバランスが素晴らしく、柔らかで品の良い甘酸っぱさが心地よい。球体的、かつ官能的なしなやかさを持ち合わせており、芳醇な果実味をキメ細かなタンニンがやさしく包み込む。ミディアムからフルボディで中庸のコクが楽しめる。余韻は長くエレガント、華やかな果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は鶏肉の照り焼きやロースト、しゃぶしゃぶの胡麻だれ、ジビエ、ビーフシチュー、チーズであればウオッシュやセミハードタイプがおすすめ。
※2017年2月試飲
■ドメーヌ・ユベール・ヴェルドロー
ドメーヌ・ユベール・ヴェルドローは1994年にティエボー・ユベールによって設立されました。ドメーヌの名前は母親マリー・フランス・ユベールへのオマージュとして彼女の旧姓、ヴェルドローに由来しています。ヴェルドロー家は1974年までヴォルネイでヴィニュロンを生業としていました。1974年の父の引退を機に、マリー・フランスは2.90ヘクタールの畑を相続しましたが、当時は夫と3人の子供とともにアルザスに住んでおり、畑を貸し出すことにしました。
後に畑を引き継いだのは、息子のティエボー・ユベール氏。彼はストラスブールのホテル学校でホテル・マネージメントとソムリエの資格を習得し、カンヌのホテルで働いた後、ブルゴーニュの畑を受け継ぐことを決意。3年間ボーヌの大学で栽培と醸造を学びながら、従兄弟が経営するヴォルネイのドメーヌ・ジャン・マルク・ブレで働きました。1994年に自身のワインをリリースし、現在では9.5ヘクタールの畑をヴォルネイ、ポマール、ピュリニー・モンラッシェ、ムルソー、ブーズ・レ・ボーヌに所有し、14アペラシオンのワインを世に送り出しています。2000年頃からオーガニックを始め、2003年からはビオディナミをスタート、2005年には全ての畑をビオディナミに変換し、デメテールの認証を受けています。
ティエボー・ユベール氏
アルザス・ストラスブール生まれ。父親がアルザス出身(Huber)、母親がブルゴーニュ出身(Verdereau)。アルザスのソムリエ学校に通い、コート・ダジュールでソムリエとして従事。自身はソムリエとして働く中で、ニコラ・ジョリーや、ドメーヌ・ゴビー等ワインに感銘を受ける。1989年マルセル・ダイスでヴァンダンジュを経験。ブルゴーニュに畑があることを話すと、ジャン・マルセル・ダイスからワイン造りをすすめられる。1990‐1991年 道具をそろえ始め、1994年より3haの畑からワインを造り始める(ブルゴーニュ、ポマール、ヴォルネイ1級畑ロバルデル、ポマール1級畑ベルタン)。2005年にビオディナミにすべて転換。お手本はミシェル・ラファルジュ。