ドメーヌ・ジャック・プリウール ブルゴーニュ シャルドネ 2016
畑:ムルソー村の区画1ha、2つの畑のブドウをブレンド、粘土石灰岩。
醸造:手摘みで収穫後、小さいケースに入れてセラーへ運び、除梗せず空気圧プレスにかけます。アルコール発酵、熟成は100%樽で行い、バトナージュを施します。100%MLF発酵。樽熟成は16ヶ月。
テイスティング・コメント
輝きのあるパールを帯びたグリーンがかったイエロー。粘性は中程度より高め。香りにはアカシアや柑橘類の花、白桃、アプリコット、マンゴー。そしてバターやマッシュルーム、オーク由来のバニラ、キャラメル、アーモンド。華やかで熟した果実のアロマが支配的、膨らみのある豊かな芳香が魅了する。アタックはソフトでなめらか。ミネラルを伴う豊かな果実味で、広域ブルとは言い難いまでの「厚みのある酒質」に驚かされる。ミネラルや酸が綺麗に表われており、かつ味わいに粘りがある。たっぷりとした旨みに心地よい塩気、スパイスやトースティな香味が広がり、コクを備えた辛口。アフターフレーヴァーの余韻は長く突出している。まさにムルソーたる味わいで、幾分フレッシュながら並の生産者のムルソーを軽く凌駕する。合わせるお料理は鶏や豚肉のソテー、鴨肉のロースト、白身魚のブイヨン煮や焼き魚、帆立のカルパッチョ、牡蠣フライ、天ぷらなどがおすすめ。
2017年3月試飲(2013年ヴィンテージ)
ドメーヌ・ジャック・プリウール
ドメーヌ・ジャック・プリウールは18世紀末にムルソーに設立されたブルゴーニュでも屈指のドメーヌの1つで、所有者はエドワール・ラブリュイエール氏。ラブリュイエール氏はボージョレのムーラン・ナヴァン出身。1830年に創設されたドメーヌ・ラブリュイエールの6代目。一族が1988年にジャック・プリウールを買収し、94年にはボルドー・ポムロールのシャトー・ルジェを購入。ラブリュイエール氏は、ボルドーでブローカーの経験を積み、2008年からプリウールを指揮するなどワイン業界において精力的な活動を行っています。
ドメーヌ・ジャック・プリウールは、モンラッシェ、シャンベルタン、ミュジニィなど9つのグラン・クリュと14のプルミエ・クリュを含む21ヘクタールの畑を所有しています。1990年より、女性醸造家ナディーヌ・ギュブラン氏を迎えて見事に品質を向上させました。フランスの有名ワイン専門誌“ラ・ルヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス”で1997年に女性で初めてベスト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに輝いた実力者です。類まれなるテロワールを重視したワインは美しい色合い、複雑なアロマ、そして芳醇な味わいを湛えています。
ラブリュイエール氏は「DNAにワイン造りが刻まれている。優れた畑を所有している以上、テロワールをきちんと表現する使命がある」という。日本は米国に続いて、プリウールの2番目の輸出市場として重視しています。指揮をとるようになって、設備投資を行い、サステイナブル(持続可能)な手法を導入しています。
・太陽光パネルを設置し、雨水をためて循環使用している。
・二酸化炭素削減のため、08年から25%軽量のボトルを使用。
・ワインケースは木箱からスタイリッシュな段ボールに変更。
・コルクは2つの業者から仕入れ、厳しいチェックをしている。‥等
1997年からビオロジックを導入し、明確に品質が向上したといいます。2009年からムルソー・クロ・ド・マズレーとボーヌ・シャン・ピモンでビオディナミを採用しています。