ヴィッラ・アンナベルタ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ 2013
アマローネのスペシャリスト、ディエコ・コッティーニが造る、しやなかでバランスのとれたワインです。収穫の際、葡萄を厳しく選別します。熟練した摘み手が2度セレクションを行います。1度目は畑で収穫する時、2度目は収穫した後の房をさらに選別します。葡萄を乾燥させるため、完璧に健全な状態の葡萄だけを選びます。優れた品質のアマローネのためには、この厳しい選別は絶対に欠かせない要素です。アマローネ用に最も適した葡萄にするため、数多くのチェック項目を設けています。熟成はフレンチオークの樽で24ヶ月行います。
【テイスティング・コメント】
深みのあるルビー。粘性は高め。香りにはブラックチェリーのコンポートやイチジク、レーズン、シナモンやペッパーなどのスパイス、赤紫蘇、バラのドライフラワー、そして樽由来のバニラやタバコ、ココア、ナツメグの香り。スパイシーかつ野生的ではあるが、お香のような上品な香りが現われており、奥からはリコリスや黒砂糖のような仄かな甘さがただよい魅了する。アタックはなめらかで力強い果実感、ミネラルを伴う果実味が伸びやかに広がる。チェリーやプラムジャムのような風味とともにペッパーやスパイシーなオークの要素が綺麗に溶け込んでいる。辛口にしてアマローネ特有の残糖感はもちろんだが、凝縮した味わいながら重く残らずエレガントに仕上がっている。アルコール感のあるふくよかな果実味と締りの良い酸とのバランスが絶妙でタンニンは程よい。艶やかで、飲み応えがありほんのりビターな長い余韻へと続く。合わせるお料理は牛や鴨肉のロースト、ラム肉の煮込み、ジビエ、すき焼き、ゴルゴンゾーラチーズなどがおすすめ。
※2017月3試飲
■ヴィッラ・アンナベルタ
ヴィッラ アンナベルタは、ハイレベルなアマローネなどを造る家族経営の生産者です。10haから始めたワイン造りは、現在レンタルを含め380haになりました。アンナベルタは夫人の名前で、「アンナベルタの家」という意味です。アマローネやカナヤにする葡萄は区画で決めています。ヴァルポリチェッラ用の品種は、斜面の畑でのみ栽培しています。平地は、白品種に向いています。海抜500mのところにアパッシメント用の倉庫があります。陰干しはなるべく自然に乾燥するのが理想なため、中の湿度が高くなると窓が開き、外の湿度が高くなると窓が閉まるといった、空気の入れ替えをコンピューター管理で自動コントロールしています。理想的な湿度は60～70%です。10、11月は限りなく0度に近づきます。ディエゴのワイン造りの哲学は、「悪い商品を造る位なら、ワインは造らない」ということです。品質を管理し、上げるために投資はとても重要であると考え、灌漑用設備や虫除けの網掛けなどの畑への投資や、次のような設備への投資を行っています。
1 )分析機 : 収穫時に全ての必要な分析データー(15種類)を瞬時に分析できる。
2 )樽セラーに敷き詰めた石:ワインの蒸発が3%位に留まる。また清潔さを保てる。
3 )フレンチのバリックとトノー:ゆっくり樽の風味がつき、フィネスが長くなる。味わいにもデリケートさがある。
4 )イタリアンの樽。ブレンドした後、最後にこの樽で6～12ヶ月熟成させることで、丸みやソフトなタッチになる。
5 )ボトル熟成のセラー。
6 )ボトリングマシーン:僅か3人で3万本を処理できる。畑仕事は、「仕事でなく楽しみ。良いワインが出来ることに喜びを感じる」と語ります。
