ブリュンデルマイヤー グリューナー・ヴェルトリーナー リード・ラム 2016
銘醸畑「ラム」は最も重要なグリューナー・フェルトリーナーの真骨頂。石灰を含む粘土とシルトの上にレスが覆われた土壌です。南向きの斜面で、ブリュンデルマイヤーのワイン生産地域でも最も暖かいハイリゲンシュタインの東端と接しています。この畑のブドウは、成熟度と凝縮度が高く、一般にブルグンディ(ピノ)の品種に近い印象を受けます。
セレクションしながらの収穫。マストは2、3年使用した300リットルのオーストリア産オーク樽(一部はアカシアの新樽)で発酵します。発酵後、ワインは2500リットル入りのオークまたはアカシアの大樽に、5~10%の澱と共に詰められ、翌年8月末に瓶詰めされるまでこの中で熟成します。
評価
2016VT ジェームス・サックリング TOP 100 WINES OF 2017:98点獲得
テイスティング・コメント
パールがかったイエローに微かにグリーンのトーン。粘性は中程度よりやや高め。香りにはエキゾチックなフルーツ、スパイスを基調とし、イチジクやアプリコット、オレンジ、パイン、シトラスオイルのような凛とした芳香が広がる。そしてミネラル、火打石などのスモーキーなニュアンスと樽由来のバニラや白檀、バタースコッチのような香りが加わる。口に含むとなめらかで舌上に僅かな気泡が感じられ、エキゾチックな香味が瞬く間に口中を支配する。高い熟度とボリューム感を備えておりミネラルと酸が下支えとなる。しっかりとしたストラクチャー、濃密な味わいにもフィネスが感じられ余韻の長さが突出。持続する果実とオークのフレーヴァー、優美なる気品に満ち溢れている。合わせるお料理は、和食全般、魚介料理、天ぷら、アジアン料理など。
2018年7月試飲
ブリュンデルマイヤー
『ワインプロフェッサー』の異名を取り、研究熱心な事で知られる ヴィリー・ブリュンデルマイヤー氏は、若い頃フランスで修行を重ね、最新の醸造技術を学びました。収得した剪定法やリラ方式(オーストリアでは初めての方法、一本の葡萄樹をY字型に上方に伸ばす事で光と空気の通りをよくし高品質の葡萄を育てる)と呼ばれる葡萄栽培法、無農薬栽培を実践。セラーでは制限的な醸造を行ない最近の傾向としては、ボディのしっかりとした凝縮感のあるワインを造りだしています。
ヴィリー・ブリュンデルマイヤーは、今日あらゆる面においてオーストリアのワインシーンにおけるリーダー的存在になっており、葡萄畑とセラーにおける妥協のない品質追求により、世界で競争可能なトップクオリティーのワインを生産することが可能であることを証明しています。
ワイングート・ブリュンデルマイヤーにおける中核はブドウ畑
ブリュンデルマイヤーが所有するブドウ畑のほとんどはテラス状で、車が通れるところから離れた場所にあります。土壌そして局地気候の条件は畑によって実に様々です。ブドウ畑では、緑肥、牛フンそして植物の廃棄物のコンポストといった有機肥料しか使っていません。天然資源である土、太陽、水、植物を単純にそして賢く使っています。人は仕えそして改良はしますが、前面に出るようなことはしません。疲弊したブドウ畑は、木を伐採して根を掘り起こし、新たに若木を植えるまでに、土壌の体力を回復させるために5年間は利用しません。ブドウ畑の周囲には小さな水場を造り、これによって浸食を防ぎ局地気候を改善します。化学除草剤は一切使っていません。
最も重要なブドウの品種:グリューナー・フェルトリーナー
ワイナリーの中で最も重要なブドウの品種と言えば、ランゲロイス周辺で採れるグリューナー・フェルトリーナーです。もともとは方言で「マウハーツレーベ」と呼ばれ、ヴァルトフィアテルの端の山の背、南傾斜地にランゲロイスとゼービングが位置するマンハーツベルクの周囲で生息していたブドウから由来しています。飲みやすい「軽くて辛口」なものから、ケーファベルクあるいはラムといった非常に複雑で長熟なものまで、グリューナー・フェルトリーナーは実に様々な性格を持っています。他のどの品種のブドウよりも、畑の個性がはっきり表れるワインです。世界ソムリエコンクールで優勝しているフランス人のオリビエ・プシエは「ラムは、信じられないほどの厚みとフレッシュさを持ったパーフェクトに醸造されたワイン。ヴィリー・ブリュンデルマイヤーはおそらくオーストリアで一番のグリューナー・フェルトリーナーを育てている!」と語っています。