パトリック・スティラン プレシューズ・ダルジャン グラン・クリュ 2008
熟成するに値すると判断した出来の良い年にのみ造られるスペシャル・キュヴェです。アンボネイのグラン・クリュの特別な区画のシャルドネを100%使っています。果汁はキュヴェ(初搾り)100%です。アルコール発酵は、タンクで行なっています。葡萄の持つ酸度を高く保ち、より長くシャンパーニュの新鮮さを確保するために、マロラクティック醗酵はしません。冷却過程を経て、ろ過と清澄をします。36〜60ヶ月熟成しています。キュヴェ名は、「銀の至宝」を意味します。
【テイスティング・コメント】
黄金がかったイエロー。粘性は中程度。香りには熟したグレープフルーツやドライアプリコット、ユリ、ジンジャー、そして熟成によるアーモンドやナッツ、ブリオッシュ、トーストなどの膨らみ豊かなブーケが広がる。他に濡れた石やチョークの香り、リンゴの蜜のようなほんのり甘いニュアンス。口に含むとスムージーで広がりのあるアタック。リッチな果実味が口中に満ち溢れ、穏やかな酸と繊細なミネラルが織りなす美しいフィネスに富む。ふっくらとしたボリュームある味わい。熟成感はもちろんだがグレープフルーツの皮やミネラルのようなほろ苦さがアクセントとなり、果実本来のフレッシュさが引き立たされる。力強くも柔らかくエレガンスに秀でたシャンパーニュ。心地よい苦みがボディにさらなる強さを与えている。合わせるお料理は、テリーヌやパテ、野菜料理、魚介や白身肉を中心とした料理、スパイシーな料理など。
※ 2017年4月試飲
■パトリック・スティラン
パトリック・スティランは、『グラン・クリュ』格付で最高のピノ・ノワールを生産するモンターニュ・ド・ランスのアンボネイ村にあります。父の時代にはシャンパーニュを造っておらず、葡萄は農協へ売っていました。従って、畑での仕事は父から学び、シャンパーニュ造りに関しては学校で学びました。圧搾には、父の代から受け継いだ古いプレス機を今でも使っています。1回のプレスではジュースが流れ出ないような優しいプレス機で、縁にある葡萄を中央に戻しもう一度プレスして、葡萄が葡萄を押し潰すことにより、より品質の良いジュースが出ることになります。典型的なテロワールを活かしたシャンパーニュ、ヴィンテージの差に左右されないシャンパーニュを目指しています。
近年、良いヴィンテージが続いたので、リザーヴワインを多く持つことが出来ました。リザーヴワインで調節することにより、毎年安定した品質のものを造りたいと考えています。ちなみにスティランは、アンボネイ村で造るピノ・ノワールの20%を、バルクで大手シャンパーニュ・メゾン、ゴセ社に販売しています。また、ゴセ社のアンボネイ村のコトー・シャンプノワは全てパトリックの葡萄から造られています。