シャトー・ラフォン・ロシェ 2005
テイスティング・コメント
赤紫がかったガーネット、深みのある色調。粘性は高め。香りにはブラックベリーやプラム、ハーブ、ブラックペッパー、オリーブ、リコリス、ローストしたオークのノートが混じり合う。スモーキーな香りはもちろん、奥からはチョコやキャラメル、煮詰めた糖などの仄かな甘さがあり魅力的。タバコや皮革、トリュフ、鉛筆、ぬれた石、湿った土の香りが続き複雑性に富む。アタックはなめらかでふくよかなボディ感、果実味は旨みがぎっしりと詰め込まれている。構造はしっかりとしているがまろやかで、穏やかな酸から口当たりが良い。タンニンは豊富で継ぎ目がなく、その存在をアフターまで感じることができる。若いうちはヴィンテージの恩恵を受け、より力強くタニック、強靭だったであろう。現時点で飲み頃に入っており、コクのある深い味わい・余韻が堪能できる。合わせるお料理は赤身肉やラム肉のロースト、ミートローフ、ジビエ、ビーフシチュー、味のしっかりとした豚肉料理など。
2017年4月試飲
シャトー・ラフォン・ロシェ
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
1855年の格付けでは四級に格付けされたが、ラフォン=ロシェはすばらしい位置にあるのだから(ラフィット・ロートシルトともコス・デストゥルネルとも隣接しているのだ)、毎回、今常習的につくっているものより個性と味わいの強いワインを生産するべきだ、というのが現在衆目の一致するところである。現在の所有者であるテスロン家は1959年にこのシャトーを購入すると、畑と荒廃したシャトーを徐々にではあるが大幅に復旧する計画に乗り出した。今日では畑はすっかり刷新され、鮮やかな、ほとんど悪趣味に近い黄色の平屋建てのシャトーの中には、新しいセラーがつくられた。
この10年間で、①収穫時期を少しだけ遅らせる、②新樽の比率を増やす、③畑においてもブレンドにおいてもメルロの比率を増やす、④出来の悪い発酵槽のものはセカンド・ワインにするという、品質志向のいくつかの理にかなった決定がなされた。その結果、グラン・ヴァンはいっそう印象的なものとなった。
1970年台には(このシャトーの血統からすれば)がっかりさせられるようなワインを数多く生産したが、1990年代に傾注された努力のおかげで、今では明らかに1855年の格付けで与えられた地位にふさわしいシャトーとなっている。
一般的な評価
1970年代に大きなスランプを経験した後、特に1994年以降はよくなり、2000年、1996年、1995年はこれまでに最も成功したワインの代表例である。今では四級の格付けにふさわしい、時にはそれ以上のワインをつくり出している。価格は、変わらずリーズナブルだ。