テヌータ・ディ・トリノーロ 2014
醗酵:ステンレス・タンク 主醗酵後、オーク樽にてマロ・ラクティック醗酵
熟成:オーク樽熟成 8カ月(225L、新樽100%)その後、セメント・タンク熟成11カ月以上
★評価
2014VT ワイン・スペクテーター:94点獲得!
2014VT ワイン・アドヴォケイト:94+点獲得!
【テイスティング・コメント】
カシスや無花果、紫の花に黒コショウや珈琲等の様々な香りは非常に奥深い。柔らかい口当たり。見た目からは意外な程、果実味と酸のバランスがとれ、滑らかな舌触りは秀逸。
※インポーター資料より
このクラスにして、若いヴィンテージでも臆せず楽しめるのは、「艶やかでジューシーな果実味」に起因する。すべての要素が溶け込んでおり、まさにこれこそが「イタリアンらしさ」であり、昨今注目を集めるニューワールドワインにも通ずるのではないだろうか。飲み頃の幅は大きく、いざ試飲してみるとやはり興味がそそられる美味しさ。今飲んでも十分に美味しいが、長期の熟成をも可能とさせるポテンシャル高き逸品。
■テヌータ・ディ・トリノーロ
サルテアーノに輝く新星、「テヌータ・ディ・トリノーロ」
名もない荒地に過ぎなかったトスカーナ・サルテアーノのこの地を、一気に世界レベルへと一躍有名にしたテヌータ・ディ・トリノーロ。1980年頃にここを訪れ、「今では見ることのない100年以上前のトスカーナの田舎を感じた」と語るオーナーのアンドレア・フランケッティ氏が独自で設立したワイナリーです。
2.5haからはじめたワイン造りは独学で開始。ボルドーのシュヴァル・ブランやヴァランドローといった名立たる生産者の友人から学び、栽培ではフランスの経験豊かな専門チームを呼び寄せたりしました。出来るだけ小さい房、実をつけさせるため植密度を1haあたり10,000株まで上げるなど改革を進め、今では葉の色を見るだけで、ブドウが今何をしているかわかるといいます。そうして生まれたワインは、学んだボルドーのトップ・シャトーにも負けない品質にまで高められました。
自然と一体となった生活を営みつつ、独自のワインの世界観を持つ彼は、いつしかイタリアワイン界を代表する存在になったと言えます。
フランケッティ家
フランケッティ家は中世以降チュニジアからイタリアに渡ってきたと考えられています。現在までフランケッティファミリーから排出された人たちのイタリア社会における貢献度は計り知れません。政治家、銀行家、音楽家、学者、芸術家、探検家、パルチザンの英雄などあらゆる分野にわたり活躍したフランケッティの名がイタリア歴史上に現れます。またロスチャイルド家(ロートシルト)とも親戚関係にあります。やはりファミリーの血統なのかアンドレア・フランケッティもワイン造りでは、世界で一切妥協を許さず最大限納得できることを探求するという血は争えないようです。
盆栽のように低い仕立て、驚愕の収穫と厳選
トリノーロでは最高のブドウを得るための努力を一切惜しみません。仕立ては全て膝ほどの高さに揃えられており、非常に作業が大変でまるで盆栽の手入れをしているようです。これにより房が小さくなり非常に凝縮度と複雑な味わいのブドウを育てることができます。
また畑には化学肥料は使用しません。フランケッティ氏は化学肥料を使用すると土地のバランスが崩れると考えており、また堆肥は強すぎるので殆ど使用しません。全ては土地に対してソフトでなければならないと考えています。畑の手入れ度合いもイタリアでは最高峰の一つと言えます。
トリノーロの収穫は類をみない程のチェックが行われており、年によっては40回以上に分かれて行われます。これは区画、もしくは樹1本ずつとってもブドウの成熟度が異なるため、午前は駄目でも午後は収穫可能、ということもあります。毎回のブドウの試食をクリアして収穫された実は、まさに完璧な状態。力強く凝縮感にあふれていながら、決して上品さを失うことなく自信に満ちたワインへと生まれ変わります。
セカンドワインにして、世界のTOP100ワインに選出
高い注目を集めるテヌータ・ディ・トリノーロですが、その躍進は止まることを知りません。「テヌータ・ディ・トリノーロ2009」はワイン・アドヴォケイト誌にて過去最高の99点を獲得したことで脚光を浴びますが、その後も90点以上を獲得し続け、イタリアワインのトップ生産者の一人として走り続けています。
またセカンドワインである「レ・クーポレ・ディ・トリノーロ 2014」がワイン・スペクテイター誌にて93点を獲得し、2016年度末には同誌が発表する、世界のトップ100ワインに選出。ボルドーやカリフォルニア、ピエモンテなどの銘醸ワインが鎮座する中、堂々の29位にランクインしました。セカンドワインにして世界のトップ100に名を連ねるテヌータ・ディ・トリノーロ。彼らの実力はもはや図り知れません。