マキナ・イ・タブラ パラモス・デ・ニカシア ベルデホ 2015
平均樹齢:50年 年間生産本数:6000本
醗酵:オーク樽
熟成:オーク樽熟成12カ月(フレンチオーク、新樽使用無し、225L、500L)
【テイスティング・コメント】
黄金がかったイエロー。粘性は中程度より高め。香りにはピーチやアプリコット、蜜リンゴなどの熟した果実香が支配的で白や黄色の花、オレンジピール、ローリエが続き芳香性に富む。樽香は控えめでバニラやナッツの香り。ほろ苦いミネラルの香りがアクセントとなりマーマレードジャムや蜂蜜のような甘さを引き立たせる。アタックはソフトでなめらか。爽やかさと同時に旨みが広がるふくよかな果実味で、完熟した風味ながらもミネラルと引き締まった酸とのバランスがよい。総じて辛口ながらすっと広がるフルーティーさと透明感のある力強さ、若々しく塩気を伴うミネラルがバックボーンとなり味わいはぶれずエレガント。温度の上昇とともにややオイリーさも感じられ、キレとともにコクが備わっている。合わせるお料理は、香草を使った鶏や豚肉料理、魚介のアヒージョやマリネなど。
※2017年5月試飲
■マキナ・イ・タブラ
長い時を経て想いの詰まった自らのワイナリー
マキナ・イ・タブラはオリオルとスサナの若いカップルが2012年にカスティーリャ・イ・レオンで立ち上げた小さなプロジェクトです。オーナーの一人、オリオル・イジャ氏はもともと銀行の出身です。しかしすぐに金融の世界に嫌気がさし家族でレストランを開業。そこでワインに興味を持ち始め、伝説のプリオラート、クロ・モガドールを試飲中にルネ・バルビエのもとに飛び込み直談判。ルネを説き伏せプリオラートに移住して修行を始めます。
その後、ワイン造りのコンサル会社を設立し、オリオルは醸造家として、Vinya L'Hereu(コステルス・デル・セグレ)、Heretat Mont Rubi (ペネデス), Bodegas Marco Abella (プリオラート)やその他ワイナリーの為にワインを造り、いずれのワインも初年度からワイン・アドヴォケイト誌などの専門誌に高く評価されるようになります。2003年には自身のワインが造りたくなり、消えゆく地ブドウ、スモルを素に自然派ワインのはしりともいえるワイナリーを設立するなどひたすら走り続けました。その間10年余り。
そして、ついに自らの理想にかなった畑を見つけマキナ・イ・タブラが誕生します。個性をそなえた古い畑を自ら足で探し歩いたため、畑は各地に点在しています。畑ではビオディナミ農法を実践し、醸造設備は借りて自分たちの思い描くワイン造りをしています。ワイナリーのコンセプトは「生き方」。土地に敬意を払い小さな家族経営のワイナリーで起こる全ての出来事を愛でています。
オリオルはまた「美食フォーラム」から派生した「ワインフォーラム」の第一回目の主催も任されています(2005年度)。ルネ・バルビエ、テルモ・ロドリゲス、ニコラ・ジョリー、ロマーノ・ダル・フォルノなど名だたるインフルエンサーを友人・知人に持つオリオルは、彼らを巻き込み真の意味でワインにフォーカスしたフォーラムを成功させています。