シャトー デュ オー マレ ルージュ 2015
樹齢は7~20年で、収穫量は35hL/haです。厳しく選別します。除梗して、品種別に、低めの23度に温度管理の下、ステンレスタンクとコンクリートタンクで4ヶ月発酵させます。ポンピング オーバーしながら、ゆっくりと行います。マロラクティック発酵は、26度に維持し100%樽(30%新樽、残りは1年樽)で行ない、22ヶ月熟成させます。樽はジュリアンの関係で入手したシャトー パヴィ モデルやアリエ産の樽を使用。ろ過はせず、極めて軽くフィルターを通します。
テイスティング コメント
エッジが朱色がかった濃いガーネット。粘性は高め。香りは、ややウッディな印象が強くスモーキーで、カシスやプラム、ブラックベリーに、ローリエ、ナツメグやクローブなどのスパイスのノートが混じり合う。そしてタールや茸、トリュフ、土、下草のニュアンスが加わり、よく熟したアロマにも複雑味・熟成香があらわれている。口に含むとなめらかで、全体に丸みを帯びた柔らかなボディ感。ふんわりと果実味が染み渡り、厚みを感じさせるリッチな味わい。ボディに溶け込んだタンニンと、酸味は穏やかでバランスがよい。何よりもアルコールのボリュームが素晴らしく、力強さと品がある。テロワールとともにヴィンテージの特徴を見事に体現し、後にはバニラやモカのフレーヴァー、ビターな中にもほんのりと甘さが感じられる。合わせるお料理は、牛フィレ肉のステーキやローストビーフ、ハンバーグ、仔羊や鴨肉のロースト、すき焼き、鰻の蒲焼、チーズフォンデュなど。
2019年1月試飲(2012年ヴィンテージ)
シャトー デュ オー マレ
畑はボルドー南部のガロンヌ河左岸に位置するマゼール村にあります。兄のジェロームが馬を飼える場所を探していて初めてこの土地を見た時、石灰岩土壌であり斜面であるということに惹かれ、この地でワイン造りをすることを決意しました。INAOの土壌調査で、サン テミリオンやフロンサックのような土壌であることが分かり、闘志に火が付きました。非常に質の高いワインが生まれる可能性を持った畑だということが分かったからです。
寡黙で職人タイプの弟ジュリアンは、畑を買う前からエノログを目指し、ボルドー大学へ通っていました。1999年から大きなワイナリーで働き、2005年からはシャトー パヴィで働いていて、現在は醸造チーフを務めています。所有するのはわずか3.5haの畑ですが、ワイン造りはグラン ヴァン並です。畑の手入れも整然と行き届いています。グラーヴの典型的な砂利質ではなく、石灰岩土壌の畑から生みだされるワインのポテンシャルには期待が出来ます。
造るのは赤、白1種類ずつ。生産量は、赤が10,000本、白2,000本。収穫量は35hl/haです。赤はグラン クリュ クラッセのようなワイン、白はアロマとフレイヴァー豊かでフィネスのあるペサック レオニャンのようなスタイルを目指しています。