バローネ・コルナッキア カサノヴァ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2015
手摘みで収穫。除梗後、発酵前に8度で6日間、低温マセラシオンを行います。その後、22~26度に温度コントロールしながらアルコール発酵を行います。熟成はステンレスタンクで6ヶ月。フルーティーなアロマ、フレッシュでやわらか、軽やかな味わいながらとてもバランスがとれています。少し低めの14度から16度くらいでお飲みいただくのをお勧めします。
【テイスティング・コメント】
紫がかった濃いルビー。粘性は中程度。香りにはカシスやブルーベリー、チェリーなどのフルーティーな果実香が支配的で、スミレやラベンダーなどの華やかな芳香、オレガノ、ドライハーブのノートが混じり合う。香りの構成としてはシンプル。熟した果実をまさに摘みたてで、目の当たりにしたような芳醇さと若々しさが顕著に現れる。アタックはソフトでなめらか。柔らかに広がる果実味は鮮やかで、タンニンはキメ細やか、適度に酸が感じられるバランスのよい仕上がり。幾分軽やかなのがかえって親しみやすく、ジューシーかつまろやか、ほんのりと残糖感が心地よい。合わせるお料理は、グリルした肉、豚や鶏肉のトマト煮、ミートソースパスタ、サラミ、チーズなど。
※2017年7月試飲
■バローネ・コルナッキア
アドリア海に面するアブルッツォ州の海岸域にあり、北隣のマルケ州とのほぼ州境寄りに代々続いている生産者バローネ・コルナッキア。イタリアの生産者としては規模が小さく、限られたスタッフで手作業を重視した、しっかりした造りをしています。海抜240mの高所の好ましい気候条件で栽培しています。2009年にソーラー発電システムを導入し、ワイナリーで使う電気は100%まかなっていますが、それ位この土地は太陽に恵まれています。
所有する畑は全て、2003年からモンテプルチアーノ・ダブルッツォ コッリーネ・テラマーネD.O.C.G.に指定された区域に入ることとなりました。モンテプルチアーノ・ダブルッツォの地域が全てD.O.C.G.指定区域になったわけではなく、このことからもコルナッキアの所有する畑がとても良いことが分かります。
2012年からエノロゴのゴッフレード・アゴスティーニが参加。ピエロからフィリッポへと世代交代が行われることにより、ワイン造りに改革が行われました。
■主な変更点
1.マセラシオンの期間を長くした。また、デレスタージュを行うようになり、タンニンがエレガントでなめらかになりました。
2.水平回転式発酵を導入、上位キュヴェに使用。それにより、酸化させずに成分を抽出出来るようになった。
3.アゴスティーニのアドヴァイスの下、全ての工程で厳しい手順を決めた。タンクや樽からの分析をより多く行い、それぞれに合ったブレンドをする。
4.新しいフィルターシステムやボトリングラインを導入。その結果、伝統的なコルナッキアのアイデンティティは守りつつ、高いエレガンスを追求することが出来るようになりました。
★インポーターでは、あえて意図的にリリースを遅らせてもらっているそうですが、これはコルナッキアのような伝統的なスタイルのワインには、ボトル熟成が必要だと考えるからです。