バローネ・コルナッキア モンテプルチアーノ・ダブルッツォ ヴィーニャ・レ・コステ 2012
単一畑レ・コステは、アドリア海から15kmの距離、海抜200mの高さにある、太陽が朝から夕方まで当る斜面の畑です。土壌は石灰質(大小の石、砂利)と粘土が混じり、とても水はけが良く、栽培に好条件です。28度以下に温度コントロールしながら20日発酵。スラヴォニアンオークの樽(30hl)で14ヶ月ゆっくりと熟成、その後6ヶ月瓶熟させます。このワインはバローネ・コルナッキアの伝統を守るためのワインと言えます。
テイスティング・コメント
赤紫がかったエッジの濃いガーネット。粘性は中程度よりやや高め。香りにはブルーベリーやカシス、プルーン、スミレのアロマにブラックペッパーやドライハーブの香りがアクセント。そして樽からくるクローブやカカオ、焙煎コーヒーの香り、さらに土っぽさ、タールや腐葉土などの熟成香が現れ奥行が増す。アタックはソフトでなめらか。味わいは丸くしっとりとしており、こなれたタンニン、穏やかな酸味がバランスよく絡み合う。品種特有のベリー系の風味がじんわりと広がり(甘辛のバランスが秀逸)、リキュールのような旨み、ふくよかなボリューム感で満たされる。目が詰まっていて、凝縮味はもちろんのこと、果実味は過度な甘さを抑えたドライ仕立て。樽の要素と相性がよく果実感を損なわないまでのビターなアフター。コクを備え飲み応えがある。合わせるお料理は、ミートソースのパスタ、肉煮込み料理、赤身肉のロースト、茄子の挽肉詰め、サラミなど。
2017年7月試飲(2011年ヴィンテージ)
バローネ・コルナッキア
アドリア海に面するアブルッツォ州の海岸域にあり、北隣のマルケ州とのほぼ州境寄りに代々続いている生産者バローネ・コルナッキア。イタリアの生産者としては規模が小さく、限られたスタッフで手作業を重視した、しっかりした造りをしています。海抜240mの高所の好ましい気候条件で栽培しています。2009年にソーラー発電システムを導入し、ワイナリーで使う電気は100%まかなっていますが、それ位この土地は太陽に恵まれています。
所有する畑は全て、2003年からモンテプルチアーノ・ダブルッツォ コッリーネ・テラマーネD.O.C.G.に指定された区域に入ることとなりました。モンテプルチアーノ・ダブルッツォの地域が全てD.O.C.G.指定区域になったわけではなく、このことからもコルナッキアの所有する畑がとても良いことが分かります。
2012年からエノロゴのゴッフレード・アゴスティーニが参加。ピエロからフィリッポへと世代交代が行われることにより、ワイン造りに改革が行われました。
■主な変更点
1.マセラシオンの期間を長くした。また、デレスタージュを行うようになり、タンニンがエレガントでなめらかになりました。
2.水平回転式発酵を導入、上位キュヴェに使用。それにより、酸化させずに成分を抽出出来るようになった。
3.アゴスティーニのアドヴァイスの下、全ての工程で厳しい手順を決めた。タンクや樽からの分析をより多く行い、それぞれに合ったブレンドをする。
4.新しいフィルターシステムやボトリングラインを導入。その結果、伝統的なコルナッキアのアイデンティティは守りつつ、高いエレガンスを追求することが出来るようになりました。
★インポーターでは、あえて意図的にリリースを遅らせてもらっているそうですが、これはコルナッキアのような伝統的なスタイルのワインには、ボトル熟成が必要だと考えるからです。