バローネ・コルナッキア ヴィッラ・トッリ・ペコリーノ 2016
土壌は石の多い石灰質土壌。収量は35hl/ha。収穫は畑で選別しながら手摘みで行います。アルコール発酵前に8度でスキンコンタクトを8時間行います。アルコール発酵は、ステンレスタンクで14~16度に温度コントロールしながら10~12日間行います。
テイスティング・コメント
明るいイエロー。粘性は中程度。アロマはフルーティーかつフローラルな芳香。グレープフルーツやグリーンアップル、ピーチ、アカシア、ジャスミン、そして爽やかなハーブ、石灰、ミネラルのノートが混じり合う。凝縮感はもちろんのこと品のよいまとまり、ミネラルの要素がエレガントでとても綺麗な印象を与える。アタックは爽やかでなめらか。ミネラルを軸とする豊かな果実味が広がり、新鮮なシトラスやピーチにスパイシーさが心地よいアクセント。全体に柔らかくくっきりとした輪郭、それでいて丸みを帯びており飲み心地がよい。中庸のボディ感、引き締まったフィニッシュ。余韻に果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は魚介や鶏肉を中心とした料理、寿司、豚しゃぶ、クリーム系のパスタなど。
2017年7月試飲
バローネ・コルナッキア
アドリア海に面するアブルッツォ州の海岸域にあり、北隣のマルケ州とのほぼ州境寄りに代々続いている生産者バローネ・コルナッキア。イタリアの生産者としては規模が小さく、限られたスタッフで手作業を重視した、しっかりした造りをしています。海抜240mの高所の好ましい気候条件で栽培しています。2009年にソーラー発電システムを導入し、ワイナリーで使う電気は100%まかなっていますが、それ位この土地は太陽に恵まれています。
所有する畑は全て、2003年からモンテプルチアーノ・ダブルッツォ コッリーネ・テラマーネD.O.C.G.に指定された区域に入ることとなりました。モンテプルチアーノ・ダブルッツォの地域が全てD.O.C.G.指定区域になったわけではなく、このことからもコルナッキアの所有する畑がとても良いことが分かります。
2012年からエノロゴのゴッフレード・アゴスティーニが参加。ピエロからフィリッポへと世代交代が行われることにより、ワイン造りに改革が行われました。
■主な変更点
1.マセラシオンの期間を長くした。また、デレスタージュを行うようになり、タンニンがエレガントでなめらかになりました。
2.水平回転式発酵を導入、上位キュヴェに使用。それにより、酸化させずに成分を抽出出来るようになった。
3.アゴスティーニのアドヴァイスの下、全ての工程で厳しい手順を決めた。タンクや樽からの分析をより多く行い、それぞれに合ったブレンドをする。
4.新しいフィルターシステムやボトリングラインを導入。その結果、伝統的なコルナッキアのアイデンティティは守りつつ、高いエレガンスを追求することが出来るようになりました。
★インポーターでは、あえて意図的にリリースを遅らせてもらっているそうですが、これはコルナッキアのような伝統的なスタイルのワインには、ボトル熟成が必要だと考えるからです。