ラ・フォン・デュ・ヴァン コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・シニャルグ ノートル・パッション 2015
ラ・フォン・デュ・ヴァンは「ドメーヌ・フォン・ド・ミシェル」が手掛けているブランドです。2002年に購入した、コート・デュ・ローヌとシニャルグの20haの畑からは、ラ・フォン・デュ・ヴァンの名でコート・デュ・ローヌとヴィラージュのワインをリリースしています。シニャルグ(ドマザン、サズ、エステザルグ、ロシュフォール・デュ・ガール村を再編成した地域)は、数年前にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュAOCに組み込まれた、新しいヴィラージュです。
醗酵:シラーはオーク樽、グルナッシュはステンレスタンクにて主醗酵後マロ・ラクティック醗酵
熟成:オーク樽にて7カ月間(250L、新樽不使用)
クラシックなヴィラージュ。スパイシー&リッチな「ミニ・パプ」です。
【テイスティング・コメント】
エッジが紫がかった濃い目のルビー。粘性は高め。香りにはラズベリーやブルーベリー、カシス、ラベンダーのアロマが豊かで特徴的なスパイス、ペッパーや樽由来のシナモンやクローブ、リコリス、さらにオレンジピールの香りが混じり合う。フルーティーかつ品が良く、他に紅茶、ナツメグ、ベーコン、なめし革のニュアンス。アタックはソフトでなめらか。広がりのある豊かな果実味でエキス分とともにしっかりと酸が感じられるまろやかなテクスチャー。幾分軽やかでスムーズな口当たりにもアルコール感のある力強い酒質(ヌフ・デュ・パプとまではいかないまでも)、味わいはリッチで調和がとれている。純粋で飲み心地がよく総じてエレガント。アフターには果実とスパイシーなフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は仔羊の煮込みやハンバーグ、豚肉のソテー、うなぎの蒲焼き、ベーコン、ブリの照焼き、ラタトゥイユなど。
※2017年7月試飲
■ドメーヌ・フォン・ド・ミシェル
パーカーズ・ワイン・バイヤーズ・ガイド 5ツ星生産者
地域の記録によれば、ゴネ家は1600年頃からベダリッドに居を構えていたという文献が残っています。現在のワイナリー、ドメーヌ・フォン・ド・ミシェルの本社となっている建物は、1880年にジャン・エティエンヌ・ゴネ氏が建てた農家がもとになっており、ジャン・エティエンヌの孫にあたるエティエンヌが、シャトーヌフ・デュ・パプAOCの南東に位置する素晴らしい場所に30ヘクタールのブドウ畑を購入し、1950年にワイナリーを立ち上げました。エティエンヌは1952年から1964年までベダリッドの市長を務めあげ、忍耐と厳格さを兼ね備えた人物として尊敬されていました。
1975年からは、師匠でもあり叔父でもあるヴィユー=テレグラフのアンリ・ブリュニエの影響を受けた二人の息子、ジャンとミシェルがワイナリーを引継ぎ、洗練と凝縮を兼ね備えたフルボディのテロワールワインを造るため、30年以上もの歳月を費やしてきました。2002年にはコート・デュ・ローヌとガール県のドマザン村にあるコート・デュ・ローヌ シニャルグに20ヘクタールのブドウ畑を購入し、ここから「ラ・フォン・デュ・ヴァン」の名でワインをリリースしています。
2006年からは、3代目に当たる息子のベルトランとギヨームが、若い熱意と技術を持ってワイナリーを引き継ぎ、2009年、3代目のベルトランとギヨームは「ゴネ・ペール・エ・フィス」という会社を立ち上げました。ここでは「フォン・ド・ミッシェル(シャトーヌフ・デュ・パプ)」と「フォン・デュ・ヴァン(コート・デュ・ローヌ)」の輸出管理とともに、会社名と同じ「ゴネ」ブランドで、厳選した買いブドウによるローヌ・ワインも販売しています。
★三世代に渡るゴネ家の不断の努力は素晴らしい形で実り、ワイナリーとしての評価はシャトーヌフ・デュ・パプの中でも最高の1つとされています。パーカー著「ローヌ・ワイン」の中で、彼らのトップ・キュヴェ「エティエンヌ・ゴネ」は最高評価の5ツ星を与えられています。
ブドウそのものと環境を尊重してできる、エレガントなワインを目指して
ドメーヌ・フォン・ド・ミッシェルの哲学は、ブドウの樹本来の強さを助け、環境を尊重したブドウ栽培を行うこと。土壌を尊重するということを最優先としています。ワイナリーでは20年以上ものあいだ化学肥料は一切使用しておらず、代わりに有機堆肥を使用して土壌のバランスを整えるようにしています。ベド病の予防にはボルドー液を使い、鋤を使って土壌を耕すなどして、丁寧にブドウ樹の世話をしています。また、コンフュージョン・セクシュエル(交信攪乱)の技術を使うことで、殺虫剤を使用せずともブドウの実に危害を加える虫から守ることができます。余分な芽を取り除き、不要な葉を取り除く作業も毎年欠かさず行っています。彼らのゴールは、最適なフェノールの成熟度値と最大限の糖度レベルを保った、自然体で健康なブドウの実を育て、バランスの素晴らしい偉大なワインを造ることです。
ワインへの情熱と品質向上への飽くなき挑戦
2006年にワイナリーを引き継いだ3代目のギヨームとベルトランの目指すワインのスタイルは、彼らの親である2代目のジャンとミッシェルと同じものでした。過度な抽出はせず、オークのニュアンスも強すぎない、飲みやすくよく熟成されたワインが彼らの目指すスタイルです。ワイナリー業を引継いでからは、ワインの品質を更に良いものにすべく、様々な試みを続けています。