ドメーヌ・ジャック・プリウール ヴォルネイ プルミエ・クリュ サントノ 2014
【テイスティング・コメント】
エッジが紫がかった濃い目のルビー。粘性は中程度。香りにはラズベリーやストロベリー、クランベリーなどの新鮮な赤果実のアロマにスミレ、バラ、ローズヒップ、リコリス、樽からくるシナモンやクローブなどのスパイスのノート。そしてバニラやお香、白檀の香り。アロマの新鮮さ、華やかさを尊重した上品な樽香が包み込むように広がり、さらにマッシュルームや枯れ葉、皮革のニュアンスが続く。アタックはソフトでなめらか。果実味は高密度で旨みが凝縮されており同時に繊細さを併せ持つ。舌触りはビロードのようで官能的な柔らかさ。ふくよかなボディにも幾分軽やかで味わいがすっきりとしており早熟で、若いうちから楽しめる。まさにもぎたての果実を噛んでいるかの様。新鮮みに溢れておりスパイシー、総じて辛口に仕上がっている。余韻は長くエレガント、果実とオークのフレヴァーが持続する。合わせるお料理は、牛や鴨肉のロースト、鶏肉の照り焼きやシチュー、ジビエ、もつのトマト煮、ベーコン、エポワスチーズなど。
※2017年8月試飲
■ドメーヌ・ジャック・プリウール
ドメーヌ・ジャック・プリウールは18世紀末にムルソーに設立されたブルゴーニュでも屈指のドメーヌの1つで、所有者はエドワール・ラブリュイエール氏。ラブリュイエール氏はボージョレのムーラン・ナヴァン出身。1830年に創設されたドメーヌ・ラブリュイエールの6代目。一族が1988年にジャック・プリウールを買収し、94年にはボルドー・ポムロールのシャトー・ルジェを購入。ラブリュイエール氏は、ボルドーでブローカーの経験を積み、2008年からプリウールを指揮するなどワイン業界において精力的な活動を行っています。
ドメーヌ・ジャック・プリウールは、モンラッシェ、シャンベルタン、ミュジニィなど9つのグラン・クリュと14のプルミエ・クリュを含む21ヘクタールの畑を所有しています。1990年より、女性醸造家ナディーヌ・ギュブラン氏を迎えて見事に品質を向上させました。フランスの有名ワイン専門誌“ラ・ルヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス”で1997年に女性で初めてベスト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに輝いた実力者です。類まれなるテロワールを重視したワインは美しい色合い、複雑なアロマ、そして芳醇な味わいを湛えています。
ラブリュイエール氏は「DNAにワイン造りが刻まれている。優れた畑を所有している以上、テロワールをきちんと表現する使命がある」という。日本は米国に続いて、プリウールの2番目の輸出市場として重視しています。指揮をとるようになって、設備投資を行い、サステイナブル(持続可能)な手法を導入しています。
・太陽光パネルを設置し、雨水をためて循環使用している。
・二酸化炭素削減のため、08年から25%軽量のボトルを使用。
・ワインケースは木箱からスタイリッシュな段ボールに変更。
・コルクは2つの業者から仕入れ、厳しいチェックをしている。‥等
1997年からビオロジックを導入し、明確に品質が向上したといいます。2009年からムルソー・クロ・ド・マズレーとボーヌ・シャン・ピモンでビオディナミを採用しています。