ドメーヌ・ダニエル=エティエンヌ・ドゥフェ シャブリ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2012
土壌:ジュラ紀層の小さな牡蠣の化石が多く含まれた、石灰粘土質の泥灰土
平均樹齢:45年(一番古いもので1905年)
【テイスティング・コメント】
明るいゴールド。粘性は中程度。香りには白桃やドライアプリコット、リンゴのコンフィ、菩提樹、ミント、ジンジャー、下草、イースト、そしてキンメリジャン特有のチョーク、石灰、火打石、ミネラルのニュアンスが混じり合う。落ち着いた印象があり洗練された趣。アタックはソフトでなめらか。口中にアロマが広がる繊細な果実味で、豊富なミネラルを伴う。熟成により酸味は穏やか、それぞれの要素が綺麗に溶け込むスムーズな口当たりで、今もなおアペラシオンの特徴である「瑞々しさ」と「繊細さ」を維持している。さっぱりとした辛口、それでいて味わいは滋味深く、甘美なるアフターへと続く。合わせるお料理は、和食全般、寿司、天ぷら、牡蠣、白身肉料理、海老のグラタンなど。
※2017年8月試飲
■ドメーヌ・ダニエル=エティエンヌ・ドゥフェ
ダニエル=エティエンヌ・ドゥフェは、シャブリでも最も古いワイン醸造地の一つを所有しています。その中でもヴュー・シャトーは800年の歴史を誇ります。16および17世紀には、彼の祖先が既にアヴァロン地方のド・フェ・シャトーにてワインを醸造していました。今から千年前、ポンティニーの修道士たちが偉大なブドウ畑の土壌を選択し、シャブリの銘柄が生まれたのですが、18世紀以降、祖先のエティエンヌ=ポール・ドュ・ジェール・ド・ラ・クロワ・ド・フェがそのブドウ栽培とワイン醸造の伝統をシャブリ地方で継続していきました。今日、修道士から生まれた偉大な呼称と代々受け継がれてきた伝統は、ダニエル=エティエンヌ・ドゥフェによって守られています。
シャトー・ドゥフェのブドウ畑とクリュ
26ha。シャルドネは、シャブリ地方独特の「キメリジャン」と呼ばれるジュラ紀層の小さな牡蠣の化石が多く含まれた、石灰粘土質の泥灰土上で栽培されています。ポンティニーの修道士たちが手掛けていた畑は、日当りの良い南東向きに傾斜した丘で、朝早くからの光を浴びる場所でした。これは収穫の80%を失う可能性にもつながる春先の凍害を防ぐ利点となっています。私たちはこの特別な場所での栽培を今日でも続けています。クリーンで健康的なブドウ畑は品質の高いブドウ、すなわちワインを生みだすという確信に基づき、ブドウ畑での作業は現在でも伝統的に行われています。
ヴュー・シャトーにおけるワイン醸造
・若い粒や乾燥して腐ったブドウを取り除いた、適度に熟したブドウの収穫。
・3時間かけた圧搾でキュヴェを選別し、「テート・ドゥ・キュヴェ」と呼ばれる最上品質のワインだけを保存。
・18時間の入念なデブルバージュ(自然に澱引きを実施)
・3週間の低温(18度)での酵母によるアルコール発酵で、ブドウのフローラルな側面と天然グリセロールをキープ。
・ボトル内での再発酵を防ぐため、マロラティック発酵を実施。
ダニエル=エティエンヌ・ドゥフェの独自の醸造スタイル
ワインと澱のバトナージュ(攪拌)は亜硫酸を添加することなく、マロラティック発酵により発生した炭酸ガスとともに18ヶ月間の間、毎月行われます。「自己消化」と呼ばれるこの酵母の自己破壊が、テロワール特有の香りとともにワインを豊かにするのです。酵母の自己消化は熟成するにしたがい、ワインにより一層の豊かさや、第三そして新鮮な果実のアロマを与え、そのほかにもワインの粘度を形成し、香りの余韻と戻り香の潜在力を強化します。清澄と濾過は行わない場合もあります(期待しているものを取り除くことはしません)。瓶詰めには窒素ガスを使用しています。
瓶詰めされたワインは、リリースされる前に6~12ヵ月間セラーで寝かされます。この時点でシャブリは2年、プルミエ・クリュは4から6年の時を経ています。
ダニエル=エティエンヌ・ドゥフェは年間17万本を生産し、そのうち50%はイギリス、ベルギー、イタリア、ドイツ、アメリカ、レバノン、トルコ、南アフリカなどの外国へ輸出し、残る50%はフランス国内のレストラン500軒(ミシュランの星付きレストラン、ルレ・エ・シャトー加盟レストラン、個人経営のシャトーおよびホテル)、ワイン専門店や個人のお客様に販売しています。