ヴァランドロー・ブラン 2013
サン・テミリオンを代表するシンデレラ・ワイナリー、シャトー・ヴァランドローが2003年から手掛ける白ワイン。生産量が少なく、市場に出回ることがあまりない希少なワインです。
熟成:10~12ヶ月(新樽70%、1年使用樽30%)
★評価
2013VT ワイン・スペクテーター:93点獲得!
【テイスティング・コメント】
淡いイエローに微かにグリーンのトーン。粘性は高め。アロマは新鮮味に溢れた鮮烈な果実香でレモンオイルやライム、キウイフルーツ、白桃などの果実香、カモミール、ハーブ、トマトの葉、ジンジャーのノートが混じり合う。そしてほんのりと甘いバニラの香り、チョーク、心地よい塩気、ミネラルのニュアンスが続き洗練された芳香が魅了する。アタックはなめらかで豊かな酸度を伴い、香りの主となるレモンオイルやキウイフルーツのような香味が爆発的な広がりを見せる。ジュレを思わせる爽やかさ、さらにはまるでグレープフルーツをほうばっているかのような瑞々しい食感さえ覚える。果実本来の持つ甘味と酸味が共存し絶妙のバランスを保っており酒質のしっかりとした、ふくよかで力強い印象をもつ。味わい深くもエレガントにまとめられ、ほろ苦いアフターへと続く。合わせるお料理は、和食全般、ソース仕立ての魚料理、魚介のマリネ、寿司、おでん、グラタン、餃子など。
※2017年8月試飲
■シャトー・ド・ヴァランドロー
シャトー・ド・ヴァランドロー
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
ヴァランドローがどのくらいよく熟成するか、一般の評価はもちろんまだだが、ワインは途方もなくリッチで、凝縮感があり、すばらしくくっきりした輪郭がある。1994年、1993年、1992年といった難しいヴィンテージですら、並外れた出来だった。ヴァランドローは、世界中の大金持ちのワイン・コレクターが、サン=テミリオンのどのシャトーのワインよりも探し回る小さな宝物となった。テュヌヴァンを批判する声は耐えないが(多くはボルドーの貴族的なシャトーの嫉妬である)、彼の影響力は広大し続けている。
彼は最も引っ張りだこのコンサルタントの1人であり、秀逸さへの執心とこだわりは、彼の途方もない味覚(同じぐらい才能のある彼の妻の助けが大きい)と共に、サン=テミリオンとその衛星地区の多くの凡庸なワインをよみがえらせてきた。品質にこだわる消費者の意識に、これらのワインを最も人気のあるものとして植えつけたのである。テュヌヴァンは、ミシェル・ロランと並んで、新しい世代のヴィニュロンたちに対し、もっともっと高い品質のワインをつくるよう刺激を与えてきた人物である。そのおかげで、ボルドー全体が多大な恩恵にあずかっている。
一般的な評価
ヴァランドローは、サン=テミリオンのガレージ・ワイン運動の事実上のリーダー格であるジャン・リュック・テュヌヴァンがつくったシャトーであり、現在まで、ボルドー最高のサクセスストーリーであることに間違いない。ボルドーで、いやそういう意味ではどこの地方であれ、シャトーができてからこんなに短期間でこれだけの商業的な成功を収め、目が回るような高い価格をつけたワインはない。ヴァランドローへの熱狂はすさまじく、価格は一級シャトーと同じくらい高いか、ひょっとすると上回るほどである。