シャトー・エメ・ド・ミュッセ 2010
フレンチオークの新樽と1年樽各50%で15ヶ月熟成
★評価
2010VT ワイン・スペクテーター2013:90点獲得!
【テイスティング・コメント】
エッジが朱色がかった深いガーネット。粘性は高め。香りにはブラックチェリーやプラム、カシスなどの凝縮した果実香にスミレ、リコリス、ミント、スパイスのノートが混じり合う。上品な樽香に、溶け込んだバニラや白檀、チョコ、コーヒー、ココア、トフィーの香り。そして皮革、腐葉土のニュアンスが現れる。香りからも深みや表現力の豊かさが感じられる。アタックは力強く、それでいて柔らか。肉厚なボディ感に加え、果実味は旨みが集約されており甘いグリセリン分を伴う。上質なタンニンが口中に広がり、まろやかでリッチな質感とコクのある味わいが楽しめる。親しみやすくフルーティーで、スパイス、芳しいビターチョコやトーストの風味が一体となるシームレスなアフター。なめらかで、果実とオークのフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は、肉料理、フォアグラ、ジビエ、ソースを使った川魚料理など。
※2017年10月試飲
■シャトー・エメ・ド・ミュッセ
元オーゾンヌの醸造責任者 パスカル・デルベック氏
元オーゾンヌの醸造責任者を務めていたパスカル・デルベック氏が手掛けるシャトーです。畑の面積は5ha、平均樹齢は25年です。砂利の下は、水はけのよい粘土質になっていて、乾燥に耐える土壌となっています。またカベルネの植えられている畑は、大きな石がごろごろしている、シャトーヌフ・デュ・パプに見られるような土壌です。葡萄は小さなカゴを使って手摘みで行い、選果台でより分け、良質の葡萄だけを選別します。醗酵はコンクリートタンク、熟成は300リットルのフレンチオークの新樽と1年樽を50%ずつ使用し、約15ヶ月寝かせます。清澄には卵白を使います。上品でエレガントでありながら、驚くほど集約された果実味の力強さも感じられます。
フランスAOCワイン事典(発行者 株式会社 三省堂)より抜粋
■ラランド・ド・ポムロール
ボルドー市の東約30km、ドルドーニュ河右岸に広がるポムロール地区のすぐ北に位置する。2つの地区の間に小さなバルバンヌ川が流れており、これが2地区を分ける境界線となっている。畑は、ドルドーニュ河とイール川の合流点に近いラランド・ド・ポムロール村とネアック村にまたがる段丘に広がっている。サン・テミリオン地区、ポムロール地区と同様に、メルロ種を主体とした赤ワインのみを産出しており、若いうちから楽しめる親しみやすいワインが多い。なお、ネアック村ではAOCネアックのワインも造られている。
ラランド・ド・ポムロールの畑は、ポムロールの畑と同じように中世の時代にキリスト教のエルサレム聖ヨハネ修道会(後のマルタ騎士団)の手によって開墾された。ラランド村には、この修道会がスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者たちを守るために12世紀に建てた、ロマネスク様式の聖ヨハネ教会が残っている。修道会の8つの尖角からなる白い十字架の徽章が、ラランド・ド・ポムロールのワインの象徴となっている。