シュロス・ゴベルスブルク リースリング・ガイスベルク・カンプタール 2017
平均樹齢:約30年
醸造:ステンレスタンクで醗酵後、マンハーツベルク産の2500Lのオーク樽で熟成。
白い花の香り、綺麗な酸と豊かながら柔和なミネラル感のバランスが素晴らしい。エレガントで優しい味わいのため、バターや生クリームを多用しない調理法で食べる野菜、魚介や白身の肉、和食一般と良く合います。
テイスティング・コメント
シルバーがかったレモンイエローに微かにグリーンのトーン。粘性は中程度。アロマはフローラルかつフルーティーで白い花、熟したリンゴ、白桃、キウイ、マンゴー、シナモン、柑橘類、ハーブを思わせ、洗練されたミネラルのノートがアクセント。ほんのりと甘さのある香りで、エレガンスの中にも親しみやすさが感じられる。他にオーク、ジンジャー、濡れたスレートや岩、石灰、微かにフリンティなニュアンス。アタックは爽やかでなめらか。ミネラルを軸とする豊かな果実味が広がりジューシーで、熟した果実の旨みが溢れ出る。ミネラリティにしてクリーミーな質感と、柔和で口当たりの良さが光る。活気に満ちた緻密な構造、味わいは広がりがよく酸とのバランスに優れており辛口にして仄かな残糖感を伴っている。キレのよいフィニッシュで、アフターの余韻も長い。合わせるお料理は、魚介、甲殻類を中心とした料理、天ぷら、寿司、鶏や豚肉のソテー、ペンネ・アラビアータなど。
2017年10月試飲(2015年ヴィンテージ)
シュロス・ゴベルスブルク
遅くとも1171年以来カンプタールでワインを生産する、現存するオーストリア最古のワイナリーのひとつです。ヴァインフィアテルを本拠地とするシトー派ツヴァッテル修道院の所有ですが、1994年以降、ワイナリー、ブドウ畑、果樹園、穀物畑、家畜等全ての所有権を現オーナー、ミヒャエル・モースブルッガー氏が60年リースで借り受け、運営しています。銘醸畑35haを所有し、グリューナー・フェルトリーナーとリースリングを主要葡萄品種に、高品質なワインを世に送り出しています。
リースリング・ガイスベルク・カンプタール
エルステ・ラーゲ(一級畑)の区画。土壌は、クフューラークナイス(花崗岩の一種)、角閃石、パラクナイス。栽培はサスティナブル農法を実践し、天候に応じたソイルワークとリーフワークに十分な手間をかけています。除草剤は不使用。晩秋糖度が上がらなくなってからの生理学的熟成を重視し、軽い初霜を待って果汁風味に「磨きをかけて」から収穫します。畑におけるグリーンハーヴェストと入念な選果を行っています。
“ガイスベルク”の区画はオーストリアを代表するリースリングの銘醸畑“ハイリゲンシュタイン”の東に並び立つやや小ぶりの丘にあります。遠目には一見一連なりにも見える2つの丘は土壌が全く異なり、ハイリゲンシュタインはペルム紀の砂岩を多く含むコングロマリット。対するガイスベルクはクナイスが主体。クナイスはヴァッハウなどドナウ河周辺の銘醸畑に多く分布する原生岩の一種です。ハイリゲンシュタインの丘によってカンプ渓谷からの冷風に守られ、一方で風通しの良いガイスベルクはエレガントで穏やかな個性のリースリングを生み出します。