ロシュ・グリーズ サン・シニアン 2011
畑面積は20ha、土壌はシストです。アルコール発酵は100ヘクトリットルの温度コントロール装置付きのステンレスタンクで約15日間、行います。マロラクティック発酵はコンクリートタンクで行います。タンニンと色を抽出するために、ルモンタージュとデレスタージュを行います。熟成は、全体の40%を1年樽、60%を2、3年樽で12ヶ月行います。その後、ボトリングの前に、全体の40%をフレンチバリックで1ヶ月程熟成させています。
【テイスティング・コメント】
濃いガーネット。粘性は高め。香りにはブラックチェリーやラズベリー、プルーンなどの果実香にドライハーブ、シナモン、タイム、ペッパー、リコリス、ローストしたオークのノートが混じり合う。そして塩漬け肉やジャーキー、粘土っぽい香り。低価格帯ながら複雑さがあらわれており野性味が溢れ出る。アタックはソフトでなめらか。果実味は程よくボリューミーでまろやかなテクスチャー。それぞれの要素が溶け込んでおり味わいは丸く、穏やかな酸とのバランスがとれている。まさに熟成による賜物。キメ細かなタンニンと、香り同様の野生味がありフルーティーかつスパイシーで、飲み心地がよい。酒質がしっかりとしたミディアムボディ、アフターにカカオやコーヒーなどの香ばしいフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は、ラム・鴨肉のロースト、肉煮込み料理、ソースを使った肉・野菜料理、ソーセージ、パスタなど。
※2017年11月試飲
■シャトー・ラ・ネグリ
シャトー・ラ・ネグリがプロデュース「セレクト・ヴァン」
シャトー・ラ・ネグリは自家葡萄で造るワインの他に、セレクト・ヴァンと呼ぶプロジェクトがあります。これらはシャトー・ラ・ネグリがプロデュースするワインで、一般的なネゴシアンとは大きく異なり、単に葡萄やワインを購入するのではなく、ネグリのノウハウを活かして栽培、醸造、熟成まで一貫して指導し、最終的なボトリングはネグリの施設で行います。そしてそれぞれの生産者名でリリースしています。
各ドメーヌには所有者がいて、ワイン造りの指導はラングドックでNo.1と呼び声の高いエノロジスト、クロード・グロとデイディエ・ラクローが担当し、ジャン・ポー・ロセが販売と宣伝を担当しています。かつてテーブルワインが主流であったラングドックにおいて、高品質なワイン造りで成功を収めたネグリだからこそ出来る取り組みであり、小さなドメーヌのワインを素晴しい品質にすることで、ラングドックの活性化に大きく貢献しています。
シャトー・ラ・ネグリ
カルト的人気を博し、「ワイン アドヴォケイト」でも高評価
現在のオーナー、ジャン・ポー・ロセが引き継いでからは、品質重視のワイン造りをめざし、すべての畑の改革を実行。葡萄の植え替えを行い、栽培方法も新たにし、質の高い葡萄の栽培が出来るようにしました。1992年、以前栽培していた伝統品種に代わり、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルの栽培を始めました。また、収穫も機械摘みから手摘みに切り替えています。
シャトー・ラ・ネグリの葡萄の収穫は、8~10kg入りのカゴを使い、すべて手摘みで行います。高品質を目指すために、50haの畑の平均収穫量は25hl/haに抑えています。収穫した葡萄は、酸化を防ぐため速やかに低温に保たれたセラーに運ばれ選別を行います。約4~8名のスタッフが選果テーブルで厳しく選別を行います。十分に熟していない葡萄、ボトリティスがついているもの、過熟の葡萄を取り除き、完璧な葡萄のみを残します。ワインの醸造は、ラングドックでNo.1と呼び声が高いコンサルタントのクロード・グロの指導の下、デイディエ・ラクローが行います。