シャトー・レスカール キュヴェ・エデン 2015
樹齢:平均60年
醸造:低温マセラシオン後、天然酵母でアルコール発酵。28日間。
熟成:80%アリエ産のオーク樽で12カ月間、20%はテラコッタの甕で4か月間熟成。
【テイスティング・コメント】
紫がかった深いルビー。粘性は高め。香りにはブラックチェリーやラズベリー、カシスのコンポート、スミレ、ハーブ、ローストしたオークのノートが支配的。若々しくもエレガントな香りで、バニラやクローブ、コーヒー、杉、お香を思わせる上品な樽香、そして皮革、カカオ、鉛筆の芯、トリュフなど、ゆったりとしつつ豊かな表情を見せる。アタックはソフトでなめらか。果実味は純粋で濃縮感がありアルコール分が良好、伸びやかに口中を満たす。樽から抽出されたタンニンは甘くキメ細やかで、舌触りがしっとりとした質感、全体に丸みを帯びている。柔らかで、風味の広がりよろしく膨らみのあるボディ感、低い酸度から飲みやすい印象を受け、素直に美味しさが込み上がる。フルボディで、過熟なくエレガントなスタイル、純粋で温かみが感じられる。合わせるお料理は、赤身肉を中心とした料理、仔羊のロースト、炙りブリやカツオのたたき、ビーフシチュー、ハンバーグ、チーズフォンデュなど。
※2017年11月試飲
■シャトー・レスカール
シャトー・レスカールはボルドー、アントル・ドゥー・メールの北部サン=ルーベ村に位置しています。1752年からワイン造りの歴史があり、粘土質と石灰質の丘という最上の土地を所有しています。石灰質はすべての畑にみられフレッシュさと余韻の長さ、そして骨格を、粘土質は力強さと密度感をワインに与えてくれます。
何十年もの間、ローラン家はワインを通じて情熱を注いできました。当主ジェラール・ローランと彼のチームは毎年、型にはまらない傑出した、とりわけ感情を揺さぶるようなワインを造るために日々、意見を交わし合っています。素晴らしい偉大なワインは基本的にブドウの質に由来します。それが彼らのモットーです。人為的な介入なくブドウの樹の天敵や害虫に対する抵抗力を高め、畑を護るために多くの手間を惜しみません。先代から耕してきた畑は彼らの子供、そして孫へと受け継がれていきます。
ビオディナミ農法を実践
1924年、オーストリアのルドルフ・シュタイナーによって提唱された哲学。ビオディナミとは単純に薬品や化学肥料の介入を禁止することではなく、彼らにとってビオディナミとは土地と植物、気候の中から生まれる自然の恩恵を意味します。ビオディナミの哲学はカーヴでも同様で、ブドウ由来の天然酵母でアルコール発酵を促します。
また、ワインの清澄化は樽の移し替えによるスーティラージュのみにとどめています。これはフィルター濾過やコラージュによる清澄はワインの個性を奪ってしまうことがあるからです。彼らにとってビオディナミの哲学とは、ブドウ畑を知ること、そして感じあうこと、それがテロワールの印象をワインに映し出すのです。