シャトー・グリヴィエール 2009
醗酵:ステンレス・タンク
熟成:オーク樽にて12カ月(225L、新樽比率 50%)、その後ステンレス・タンクにて18カ月間
【テイスティング・コメント】
エッジが赤紫がかった濃いガーネット。粘性は中程度より高め。香りにはブラックベリーやチェリーのコンフィ、リコリス、ハーブ、ブラックペッパー、そして樽由来のバニラ、トーストやエスプレッソなどの芳しい香りがアクセント。続いてタバコ、タール、茸、鉛筆、なめし革の香り。熟成による腐葉土やドライフルーツの香りが出始めており複雑なブーケが広がる。アタックはソフトでなめらか。豊かなタンニンと溶け込んだ酸味、舌触りは丸みを帯びている。しっとりとしたテクスチャー、果実味は十分な濃さ、ふくよかさを備えており味わいはドライでコクがある。ビター加減が素晴らしい。心地よい渋みとともにオークのフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は赤身肉のロースト、厚切りのロースカツ、ビーフシチュー、コクのあるチーズなど。
※2017年12月試飲
■レ・ドメーヌ・セー・ジェー・エール
ドメーヌCGR社はLA CARDONNE(カルドンヌ)、GRIVIERE(グリヴィエール)、RAMAFORT(ラマフォール)の三つのシャトーを所有しており、その社名はその三つのシャトーの頭文字から来ています。
シャトー・グリヴィエール、シャトー・ラ・カルドンヌは、サン・テステフから北に5km程の、メドック地区の一番高い丘陵地にあります。ジロンド河に沿った緩やかな斜面にある畑では17世紀の始め頃からワイン造りを行っています。グリヴィエールのシャトー自体は存在せず、ワイン造りはシャトー・ラ・カルドンヌで行われています。
シャトー・ラ・カルドンヌについて
20世紀に入ってからは、ロートシルト家の所有となり、長年に亘りシャトー復興のために数々の努力が行われました。1970年代初頭にはブドウ畑の改良が完了し、1990年よりドメーヌCGR社が新しくシャトーのオーナーとなり、更なるブドウ栽培の工夫、ワイン造りへの最先端技術導入に取り組んできました。1993年には広大な地下セラーも完成しました。その為、ドメーヌCGR社では、飲み頃になるまで、シャトーのセラーにて熟成してくれるのが大きな強みです。何と10年分に相当する300万本ものワインを保管が可能なため、リーズナブルに飲み頃のヴィンテージを提供してくれる生産者です。
ラフィットの醸造家から女性醸造家に
ドメーヌCGR社がオーナーになった当初は、シャトー・ラフィット・ロートシルトの醸造責任者、エリック・ファーブル氏がコンサルタントを行っていました。その後、ラフィットを引退し、改めて、醸造長に就任しました。そして、2000年には、シャトー・ランシュ・バージュ、レ・ゾルム・ド・ペズで醸造長を務めていた、マガリ・ギュイヨン女史が醸造長となりました。2005年には、彼女の造り始めた2001年が、ル・ポワン誌にて高く評価されました。彼女が表紙を飾り、彼女の業績が認められたのです。
サステーナブル農法
ドメーヌCGR社では、2006年より、“サステーナブル農法”を取り入れています。畑の自然環境の保全とワインにテロワールの表現を実現しています。今日の畑の状態に非常に自信を持っており、自然に育てることにより、樹にもウドンコ病といった病に対する抵抗力が高まります。ワインにもパワーが高まり、表現豊かになります。そして、味わいはより、フルーティーに、フレッシュに。