トゥア リータ ジュスト ディ ノートリ 2018
醗酵: オーク樽/主醗酵後、バリックにてマロラクティック醗酵
熟成: オーク樽熟成 18カ月間(225L、新樽60%、1年使用樽40%)
評価
2018VT ワイン アドヴォケイト: 96獲得
テイスティング コメント
紫がかった濃いルビーレッド。ブラックベリーやプラム、カシスの香りと、スパイスやハーブ、軽いロースト香。チョコ、タバコ、杉、なめし革の香りなど複雑に混ざり合う。味わいはなめらかでシルキーなテクスチャー。上質なタンニンと酸、果実味のバランスがとれており力強くもエレガントで、緻密な構造をもつ。集約感のある濃厚な果実味ながらしなやかさを合わせ持ち、広がりのある長い余韻が印象的。既に柔らかく今飲んで美味しいが、二日目、より寛大さが増していく。合わせるお料理は牛フィレやラム肉のロースト、ジビエ、バーベキュー、茸料理など。
2021年9月試飲
トゥア リータ
神 (バッカス) に愛されしワイン
ヴィルジリオとリータ夫妻が、全国的に全く無名であったトスカーナ州、スヴェレートの地に畑を購入したのは1984年のことでした。運命に導かれたのか、購入した土地がワイン造りにおいて尋常ではないポテンシャルを持っていることに気がついたのはその後のこと。1988年に植樹し、1992年に初めて瓶詰めしたワインをリリースしてから僅か6ヴィンテージ目でトゥア リータのフラッグシップ、レディガフィはワイン スペクテイターにて100点を獲得するという快挙を成し遂げます。さらに2000年のレディガフィにおいてもワイン アドヴォケイトにて100点を獲得。イタリアワイン界で2大ワイン評価誌において100点を獲得したワインは「レディガフィ」のみという奇跡でした。
しかし、この家族経営の小さな醸造所はワインガイドの評価に左右されず、妥協を許さない飽くなきワインの品質への追求・挑戦を続け、トップ生産者としての地位をゆるぎないものとしました。
大地を愛し、天に愛される人
その話題性から、ワインの評点や醸造家などが評価されがちですが、品質の根底を支えているのは人でした。オーナーのヴィルジリオ ビスティ氏は趣味が高じて始めたブドウ栽培を、いつしか「どうせやるなら、世界レベルのワインを造りたい。」と思うようになります。何より農作業を愛した彼は、まるでわが子を愛でるかのように日々ブドウの手入れをしていました。
2010年にヴィルジリオ ビスティ氏は亡くなりましたが、その心は次世代へ引き継がれています。全てはブドウの品質で決まるワイン。トゥア リータのワインは人の愛情で育まれたブドウから造られています。
トゥア リータにしか存在しない特殊なテロワール
スヴェレートはトスカーナでも特殊な微小気候が存在します。その特徴は気候がとても安定していること。また、このトゥア リータの所有する畑の中には、世界的に見ても類の無い特殊な条件を備えた土壌が存在します。これはスヴェレートという地区の中でも、トゥア リータの所有する畑だけに見られる条件であり、隣接するワイナリーにも存在しません。トゥア リータの畑の中でもこの特殊な土壌はその一部に限られており、少し区画が変わると全く土質が異なるため、そこからは偉大なワインは生まれません。トゥア リータを特別な造り手と定義される「圧倒的な余韻」はこの唯一無二のテロワールから生み出されるのです。