ドメーヌ・ミシェル・グロ ヴォーヌ・ロマネ 2017
畑の面積は0.92ha。このキュヴェは、「オー・レア」、「オ・ドシュ・ド・ラ・リヴィエール」、「ラ・コロンビエール」の三つの畑から造られます。
テイスティング・コメント
エッジが紫がかった濃いめのルビー。香りにはチェリーやストロベリー、ブルーベリー、プラムなどの果実香、スミレ、野バラ、オレガノやシナモンなどのスパイスのノートが混じり合う。強すぎない上品な樽香、果実とスパイスを基調とする繊細なアロマをやさしく包み込む。他にカカオ、鉄、ミネラルのニュアンス、そして紅茶、なめし革の香りが続く。アタックはソフトでなめらか。ビロードのような舌触りをもち気品がただよう中、芳醇な果実味が伸びやか。凝縮度が高く濃密な味わいで濃縮したラズベリーやチェリーにスパイス、オークの風味が溶け込んでいる。十分な旨み、深いコクがあり現時点で素直に美味しい。辛口にして仄かに残糖を感じつつほろ苦いミネラルが甘辛のバランスを保つ一役を担っている。タンニンは程よく質感がありしっかりとした構造。フィネスとエレガンスを備えており優美な余韻へと続く。合わせるお料理は、牛や鴨肉、仔羊のロースト、ジビエ、赤身マグロの醤油漬け、トリュフを使った料理など。
2018年1月試飲(2015年ヴィンテージ)
ドメーヌ・ミシェル・グロ
グロ家の歴史はニュイ・サンジョルジュの町から2キロほど離れたニュイの丘の上にあるショーという小さな村で、1804年に生まれたアルフォンス・グロから始まりました。ドメーヌを1830年に設立し、2代目ルイ・ギュスターヴ、3代目ジュール、4代目ルイ。長い歴史とともに所有畑を拡大し信頼のおけるドメーヌへと地位を確立していきます。
それからこのドメーヌの名声を今日のように高めたのはルイ・グロから畑を分割相続し1963年に独立した、5代目ジャン・グロでした。彼はとても独創的・革新的な人柄で、畑の拡張や機械化の促進など、様々な革新を試み、醸造方法の開発に貢献した人物でした。その後、ジャンは1995年ヴィンテージの収穫後に引退し、3人の子供たち(ミッシェル氏、ベルナール氏、アンヌ・フランソワーズ氏)に畑を分配しました。
本流となる6代目が長男のミシェル
1975年にボーヌ市の葡萄栽培学校を卒業したミシェルは、父ジャンと共にワイン造りに携わりグロ家の名声を高めるのに大きく貢献しました。1995年に単一畑の“クロ・デ・レア”、ヴォーヌ・ロマネの一級畑、ニュイ・サンジョルジュの2区画、ヴォーヌ・ロマネの2区画とACブルゴーニュの一区画を相続。自然を尊重し、殺虫剤は使用せずにホルモンカプセルを用いて害虫を防ぎ、収穫は完全に手摘みで行われています。入念な選果により健全な果実のみを選び運搬にはブドウを潰さない為に小さなプラスチックケースを用います。醸造ではブドウの持つ力を最大限に発揮するために醗酵は比較的高温で行われます。ワインは果実味とエレガントさが綺麗に表現されています。