ドメーヌ・ミシェル・グロ シャンボール・ミュジニー 2015
畑の面積は0.69ha。
【テイスティング・コメント】
紫がかった濃いルビー。粘性は中程度からやや高め。香りにはストロベリーやチェリー、ブラッドオレンジ、プルーンなどの凝縮した果実香にスミレ、赤紫蘇、スパイシーなオークのノートがアクセント。バニラやクローブ、シナモンなどのスパイスの香りが豊かで、さらにお香や黒砂糖のような香りがあらわれる。他にカカオ、鉄、ミネラル、下草のニュアンスがあり複雑性に富む。アタックはソフトでなめらか。エキス分に富むジューシーな果実味が口中に染み渡り、女性的と称されるシャンボールにあって力強さと厚みを感じさせる。辛口にしてほんのり甘く濃縮した様々なベリーやカシスを思わせミネラリーでふくよかなボディ感、リッチな味わいにして繊細さを併せ持つ。しっかりとした構造、メリハリが利いており現時点で僅かにオークの要素が勝るが数年で落ち着くだろう。初日よりは二日目、すぐ飲むのであれば早めの抜栓がおすすめ。後にはオークとフレッシュな果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は、仔羊や鴨肉のロースト、赤身マグロのタプナードソース、天ぷらなど。
※2018年1月試飲
■ドメーヌ・ミシェル・グロ
グロ家の歴史はニュイ・サンジョルジュの町から2キロほど離れたニュイの丘の上にあるショーという小さな村で、1804年に生まれたアルフォンス・グロから始まりました。ドメーヌを1830年に設立し、2代目ルイ・ギュスターヴ、3代目ジュール、4代目ルイ。長い歴史とともに所有畑を拡大し信頼のおけるドメーヌへと地位を確立していきます。
それからこのドメーヌの名声を今日のように高めたのはルイ・グロから畑を分割相続し1963年に独立した、5代目ジャン・グロでした。彼はとても独創的・革新的な人柄で、畑の拡張や機械化の促進など、様々な革新を試み、醸造方法の開発に貢献した人物でした。その後、ジャンは1995年ヴィンテージの収穫後に引退し、3人の子供たち(ミッシェル氏、ベルナール氏、アンヌ・フランソワーズ氏)に畑を分配しました。
本流となる6代目が長男のミシェル
1975年にボーヌ市の葡萄栽培学校を卒業したミシェルは、父ジャンと共にワイン造りに携わりグロ家の名声を高めるのに大きく貢献しました。1995年に単一畑の“クロ・デ・レア”、ヴォーヌ・ロマネの一級畑、ニュイ・サンジョルジュの2区画、ヴォーヌ・ロマネの2区画とACブルゴーニュの一区画を相続。自然を尊重し、殺虫剤は使用せずにホルモンカプセルを用いて害虫を防ぎ、収穫は完全に手摘みで行われています。入念な選果により健全な果実のみを選び運搬にはブドウを潰さない為に小さなプラスチックケースを用います。醸造ではブドウの持つ力を最大限に発揮するために醗酵は比較的高温で行われます。ワインは果実味とエレガントさが綺麗に表現されています。
