ロベルト・サロット バルベーラ・ダスティ・スペリオーレ 2015
収穫は9月の中旬に手摘みで行います。除梗、破砕した後、約10日間、温度コントロールしたステンレスタンクで発酵させます。アルコール発酵後、澱引きしてステンレスタンクに移します。その後、樽に移し、マロラクティック発酵、熟成を行います。熟成は大樽と225Lのバリックで8ヶ月行います。その後、ステンレスタンクに移し、ワインを落ち着かせます。
評価
2015VT ルカ・マローニ:92点獲得
テイスティング・コメント
エッジが紫がかった濃いルビー。粘性は高め。香りにはプラムやブラックチェリーのコンポート、リコリス、ラベンダー、ブラックペッパー、ドライハーブが混じり合い、バニラとスパイシーなオークのノートがアクセント。お香、シナモンやクローブなどのスパイスの香り。他になめし革やカカオ、そしてレーズン、ドライフルーツ的要素が表れる。アタックはソフトでなめらか。非常にスムーズな飲み口でふくよかな果実味が前に出る。生き生きとしており辛口ながらも心地よい残糖感。熟したタンニンが溶けこみ、オークの要素であるバニラのフレーヴァーとともに味わいをリッチに感じさせる。しっかりとした骨格と高いアルコール度数だが、全体に柔らかく、スイスイと杯が弾む親しみやすさが勝る。合わせるお料理は、仔羊や豚肉のロースト、ローストパスタ、ミートソース料理、ラザニア、キノコのリゾットなど。
2018年3月試飲
ロベルト・サロット
ロベルトはワインスクールを卒業してから父を手伝ってきましたが、その後年間生産量6,500万本というピエモンテの大規模な醸造所の醸造長として手腕を発揮。同時にガヴィにある醸造所のワインメーカーとしても活躍しました。現在は、それらの職を辞し、彼自身の畑をバローロ、バルバレスコ、ガヴィに所有し、質の高いワイン造りを行なっています。また、6名の親しいメンバーと共同経営する醸造所のワインメーカーを務め、さらに、ワインに含まれている200種類ほどある化学成分の専門家でもあります。ロベルトがワイン造りにおいて、最優先で注意を払うのは葡萄畑です。「良いワインは畑で生まれ、セラーで育つ。」と考えているからです。所有する畑は、バローロ、バルバレスコ、ネヴィーリエ、ガヴィといったピエモンテ最高のワインを産するエリアに広がっています。
アルネイス、シャルドネ、ブラケット、ネッビオーロ、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培も行なっています。機械化によって若干は変わりましたが、基本的には伝統的な方法で葡萄を育てています。自然の生態系を守りながら、化学的なものを減らしていくことで、いつか化学的なものをゼロにしていければと考えています。収穫は10年間ほぼ同じ人に頼んでいます。自宅のあるネヴィーリエ、ガヴィ、バローロにセラーがあります。温度コントロール装置付きの発酵タンク、甘口ワイン貯蔵のための温度調節付きタンク、ニューマティックプレス、バキュームフィルター、連続式フィルター等の設備があります。マイクロフィルトレーション装置を備えたボトリングラインは1時間に2,000本のボトリングが可能です。
ロベルトは、「良いガヴィを高くない値段で」をポリシィとしています。特徴は長い発酵にあり、3~4ヶ月もかけます。その間、死んだ酵母が沈んでいて、ワインにミネラルを与えます。また、長い低温発酵のため、自然のCO2がワインに溶け込み、長くフレッシュさを保つことが出来ます。また、バローロとバルバレスコはひとつの土地として考え、クリュによる違いと考えています。どちらもネッビオーロにとって最適な土地だからです。