ブリュンデルマイヤー リースリング 2016
醸造:ステンレススティールタンクで15℃から20℃で醗酵後、大樽で一部澱引きし、翌春まで澱と供に一定期間寝かせます。
テイスティング・コメント
グリーンがかった淡いレモンイエロー。粘性は中程度。香りにはライムやグレープフルーツなどの柑橘類や白桃、洋梨、チェリーなどの果実香、スイカズラ、ローズマリー、ペッパー、そしてジンジャー、土壌由来のチョーク、ミネラルのニュアンスが感じられ洗練された趣がある。アタックは爽やかで微かに発泡が感じられ辛口にしてほんのりと甘さが残り、果実本来の自然な甘さ、澄み切った純粋さで満ち溢れる。クリアーで輪郭がくっきりとしたシャープな酸とミネラルが織りなすそれはフィネスとともに湧き出すような活力が漲っている。バランスのよい仕上がりで、シンプルに品種の個性が感じ取れる。チャーミングだが、味わうほどにそのポテンシャルの高さが実感できる。合わせるお料理は、マリネや天ぷら、中華、寿司、チーズフォンデュ、ベーコンと野菜スープなど。
2018年3月試飲
ブリュンデルマイヤー
『ワインプロフェッサー』の異名を取り、研究熱心な事で知られる ヴィリー・ブリュンデルマイヤー氏は、若い頃フランスで修行を重ね、最新の醸造技術を学びました。収得した剪定法やリラ方式(オーストリアでは初めての方法、一本の葡萄樹をY字型に上方に伸ばす事で光と空気の通りをよくし高品質の葡萄を育てる)と呼ばれる葡萄栽培法、無農薬栽培を実践。セラーでは制限的な醸造を行ない最近の傾向としては、ボディのしっかりとした凝縮感のあるワインを造りだしています。
ヴィリー・ブリュンデルマイヤーは、今日あらゆる面においてオーストリアのワインシーンにおけるリーダー的存在になっており、葡萄畑とセラーにおける妥協のない品質追求により、世界で競争可能なトップクオリティーのワインを生産することが可能であることを証明しています。
ワイングート・ブリュンデルマイヤーにおける中核はブドウ畑
ブリュンデルマイヤーが所有するブドウ畑のほとんどはテラス状で、車が通れるところから離れた場所にあります。土壌そして局地気候の条件は畑によって実に様々です。ブドウ畑では、緑肥、牛フンそして植物の廃棄物のコンポストといった有機肥料しか使っていません。天然資源である土、太陽、水、植物を単純にそして賢く使っています。人は仕えそして改良はしますが、前面に出るようなことはしません。疲弊したブドウ畑は、木を伐採して根を掘り起こし、新たに若木を植えるまでに、土壌の体力を回復させるために5年間は利用しません。ブドウ畑の周囲には小さな水場を造り、これによって浸食を防ぎ局地気候を改善します。化学除草剤は一切使っていません。
最も重要なブドウの品種:グリューナー・フェルトリーナー
ワイナリーの中で最も重要なブドウの品種と言えば、ランゲロイス周辺で採れるグリューナー・フェルトリーナーです。もともとは方言で「マウハーツレーベ」と呼ばれ、ヴァルトフィアテルの端の山の背、南傾斜地にランゲロイスとゼービングが位置するマンハーツベルクの周囲で生息していたブドウから由来しています。飲みやすい「軽くて辛口」なものから、ケーファベルクあるいはラムといった非常に複雑で長熟なものまで、グリューナー・フェルトリーナーは実に様々な性格を持っています。他のどの品種のブドウよりも、畑の個性がはっきり表れるワインです。世界ソムリエコンクールで優勝しているフランス人のオリビエ・プシエは「ラムは、信じられないほどの厚みとフレッシュさを持ったパーフェクトに醸造されたワイン。ヴィリー・ブリュンデルマイヤーはおそらくオーストリアで一番のグリューナー・フェルトリーナーを育てている!」と語っています。