ドメーヌ・アンドレ・ボノーム ヴィレ・クレッセ トラディション レ・ピエール・ブランシュ 2016
樹齢:20~30年。ステンレスタンク18ヵ月熟成。果実味が素直に現れていて、花や柑橘系の豊かな香りと適度な酸とミネラル感が魅力的。
評価
2016VT ヴィノス:90点獲得
テイスティング・コメント
輝きのあるグリーンがかった淡いイエロー。粘性は高め。香りにはリンゴや白桃、グァバ、ライムなどの果実香にサンザシ、スイカズラ、ジンジャー、スモーキーなミネラルのノートが混じり合う。広がりのある魅力的な芳香。石灰や鉱物のヒント、少しフリンティな香りがあらわれる。アタックはソフトでなめらか。新鮮で活気に溢れているが角が立たずまろやかな質感さえ覚える。果実味の表情は明るくそれでいて味わいはドライで、旨みはもちろんのことコクと程よいボリューム感が楽しめる。適度な酸と美しいミネラルが味わいを支え果実味が主張し過ぎないのが良い。それぞれの要素がバランスよく交わっており絶妙の甘辛度、心地よいほろ苦さが余韻に残る。合わせるお料理は、シーフードやチキン料理、エビの生春巻、野菜のソテー、ヤギのチーズなど。
2018年5月試飲
ドメーヌ・アンドレ・ボノーム
ナチュラルな製法にこだわり、より良いブドウを得る為に最善を尽くす
1956年設立。ドメーヌ・アンドレ・ボノームは僅か6haの畑からヴィレ・クレッセを生産する、マコネでも最も優秀な造り手のひとつです。2001年からアンドレ・ボノーム氏に代わり娘婿エリック・パルテ氏が引き継ぎ、2008年からは彼の長男オレリアン・パルテ氏に引き継がれました。オレリアンは2007年からドメーヌ品と並行して試験的にワインを造っていました。100%新樽キュヴェやアメリカンオークを併用した新キュヴェ等です。その出来の良さにエリック氏はとても驚き、先代の血を引き継ぐ真の後継者だと確信したのか、世代交代を決断しました。
偉大な祖父と有能な父から受け継いだ優秀なヴィニュロンとしてのDNAだけでも彼の今後の成長と飛躍を十分に予感させられますが、ディジョン大学で最新の知識を身に付け、ヴィノログの資格を取得し、それを基に新しい発想を積極的に試みている彼から今後のブルゴーニュを代表するワインが世に放たれるのも近いでしょう。
「良いワインは良いブドウから造られる」というポリシーの下、昨今のバイオ技術に頼る事なく、あくまでナチュラルな製法にこだわり、日々畑を耕し、より良いブドウを得る為に最大限の努力を続けています。1980年以降は化学肥料を使用しておらず、栽培はビオロジックで認証取得済。2008年はオレリアンの記念すべきファースト・ヴィンテージ。IWCでは、Vire Clesseが91点を獲得するなど、その才能を如何なく発揮させており新しい時代の到来をはっきりと予感させてくれる数少ない秀逸な生産者です。