シュミ・ワイナリー イベリウリ ルカツィテリ 2015
自社単一畑「Berula Vineyard」。醸造:クヴェヴリ醸造。天然酵母で発酵、6ヶ月マセラシオン。その後4ヶ月の樽熟成。
ルカツティリの個性が存分に引き出され、複雑なブーケと長い余韻があります。
テイスティング・コメント
輝きのあるオレンジがかったイエロー。粘性は高め。香りにはアプリコットや黄桃、ドライフルーツ、リンゴのコンフィ、そしてオレンジピールやシナモンなどのスパイス、茶葉、ナッツのノートが混じり合う。ふくよかなボリュームが広がりシードルや鼈甲飴のような甘やかなニュアンスをもつ。アタックはソフトでなめらか。オイリーな質感とふくよかでリッチなボディ、ドライな口当たりが魅力的で甘さを抑えた熱帯の果実、ドライフルーツ、中国茶のような滋味深き味わいが特徴。ゆったりと広がるエレガントな味わいで、やさしく繊細な余韻へと誘ってくれる。飲み頃温度は12~15度、芳醇さを楽しむには冷やし過ぎにご注意を。合わせるお料理は、オードブル、餃子やチンジャオロースをはじめとした点心、白身肉・魚のソテー、オリーブオイルを使ったパスタなど。
2018年5月試飲
シュミ・ワイナリー
シュミ・ワイナリーは、2001年に主要産地であるジョージアの東部カヘティ地方ツィナンダリ地区に設立。栽培からボトリングまで自社で行っているジョージアでは稀なドメーヌ(ネゴスブランドもあり)です。醸造プロセスを完全にコントロールできる最先端の設備、正確な分析を行うラボやユニークなセラーを備えており、ジョージアの中でも最良ワイナリーのひとつです。
シュミ・ワイナリーの特徴
1.最大のアドヴァンテージはいわゆる「クローズド・サイクル」といわれる栽培から醸造、ボトリングまでを一貫して自社で行っており、高い評価を受けている。
2.ジョージアのワイナリーでシュミのように特定栽培地区(ミクロゾーン)のコレクションを持つワイナリーは稀で、その所有する葡萄畑はジョージアの西部Khvanchkara、Martvili、東部のTsinandali、Akhmeta, Gurjaani, Akhasheni, Napareuli, Kvareli, Kindzmarauli,Mukuzani, Ikaltoといった地理的、気候のコンディション、歴史的な見地からの名醸地のミクロゾーンに位置し、葡萄の樹齢も高い。近い将来ミクロゾーンの葡萄畑はGeorigian Law of vineによって完全に管理されるため、ミクロゾーンの畑を持たない生産者はアペラシオン入りのワインは製造できなくなる。
3.2004年にフランスからJean Michel Ferrandez氏をワインメーカーに招聘。
4.DIN EN ISO9001:2000およびHACCP認定を取得した初期の製造業者である。
5.2012年に食品完全管理システムISO22000認定取得
6.2005年 ジョージアワインとしてはじめてオーガニックワインの生産を始めた。栽培はInternational Bio Standardsに基づき慣行される。
7.ジョージアワインの歴史においてはじめて、栽培における「グリーン・ハーヴェスト」を導入。品質の向上につなげる。
8.インターナショナル・ワイン・チャレンジ、デキャンタ・ワールド・アワーズ、などさまざまなコンペティションにて126ものメダルを獲得している。
Shumiシュミとは古代グルジア語で「本物の、純粋な」といった意味があります。
ジョージアワイン
寒暖の差が激しいジョージア(グルジア)は、大陸性気候に恵まれたワイン発祥の地と言われています。その歴史はなんと8000年とも言われ、人類の歴史とともにワイン造りが発展してきました。ワインはこの地からメソポタミアを経由してエジプトに運ばれました。ワインの名前はブドウ品種とワインが作られた「土地の名前」に由来するものがほとんどです。国内の産地は大きく分けて5つあります。カヘティ地方、カルトリ地方、イメレティ地方、ラチャ=レチフミおよびクヴェモ・スヴァネティ地方、アジャリア地方です。その中でも代表的な産地が、カヘティ地方とイメレティ地方です。カヘティ地方はグルジアの東部に位置する大変広いエリアです。グルジアのワイン用ブドウの70%がこの地域で栽培されています。
伝統的な製法 クヴェヴリ -Qvevri-
代表的なワインの産地、カヘティ地方には500以上のワイナリーがあり、いくつかの醸造所では昔ながらの造り方を守っています。その方法は、収穫し軸を取ったブドウをつぶし、床下にある素焼きの壺に流し入れて発酵させます。沈殿したのちに壺を入れ替えてさらに熟成。皮や種もそのまま発酵させます。この壷がクヴェヴリ(Qvevri)と呼ばれます。このクヴェヴリ製法とは、ブドウを壺の中で(この壺の内側はオーガニックの蜜蝋でコーティングされている)発酵させますが、さらに壺を地中に埋めることで一定の適温での発酵が実現されます。樽での発酵では絶対に生まれない豊かな果実感を持ったワインが出来上がります。2013年にクヴェヴリを使った伝統的なジョージア(グルジア)のワイン製造法が世界無形文化遺産に登録されました。