フィリップ・ロティ マルサネ・ルージュ カルチエ 2012
樹齢:約50年。フィリップ・ロティ名義。
テイスティング・コメント
エッジが朱色がかったルビー。粘性は中程度。香りにはチェリーやザクロ、ブルーベリーなどの果実香にバラ、ローズヒップ、フェンネル、芳しいオークのノートが混じり合う。顕著にあらわれるクローブやシナモンの香り、さらにピンクペッパーなどスパイスの香りが豊かに広がる。そして枯れ葉、タバコ、マッシュルーム、僅かに鉄っぽいニュアンスを感じる。アタックはソフトでしなやか。マルサネらしい力強さが背景としてあるが既に柔らかく口当たりが良い。タンニンはキメ細やか、十分な旨みと申し分の無いコクがある。しっかりとした酸が下支えになり果実味は鮮度を保ちその魅力が溢れ出ている。合わせるお料理は、赤身肉料理、鴨肉のロースト、鶏肉の香草焼き、野菜炒めなど。
2018年5月試飲
ドメーヌ・ジョセフ・ロティ
ジュヴレ・シャンベルタンの名門ドメーヌ。家名として1610年まで、ドメーヌとして1817年まで遡ります。歴史あるだけに多くの古木を有しこれだけで遺産的価値です。それに甘んじる事無く畑作業を重視し、摘葉や摘果を細かく行う等、多くの時間を割いています。
厳格なリュット・レゾネで収穫は全て手作業。醸造法は伝統的なスタイルです。上面開放タンクで温度管理を徹底し、手でピジャージュを行います。発酵は約3週間。最上のトロンセとヴォージュ産の樽を使用します。樽熟約18ヶ月。グラン・クリュを除き通常50%新樽使用、残りは1年樽使用。非清澄、非濾過。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティと同じ選別機やプレス機等を導入し、より凝縮されたピュアな味わいを表現できるようになり、近年さらに評価を高めています。
驚くべきポテンシャルと複雑味溢れる香り、洗練され、しなやかさと力強さとを見事に調和させています。多くのワイン・ジャーナリストが大変高い評価をしています。2015年10月、若くして急逝したフィリップ・ロティ氏の跡を継いだのは、弟のピエール・ジャン・ロティ氏。ドメーヌとして彼で12代目となります。フィリップはここ数年病に伏していた為、実質的には彼がドメーヌを任されておりその名声を高めていました。正式な後継者となった今、父と兄の意思を継ぎ、さらなる発展の為に意欲を燃やしています。
※フィリップ・ロティラベルは今後、ジョゼフ・ロティラベルに統一していく予定です。