ドメーヌ・ジョセフ・ロティ ジュヴレ・シャンベルタン キュヴェ・ド・クロ・プリュール・バ 2012
樹齢30年。煮詰めたような、凝縮した果実味。密度が高くキメ細やかで、いつまでも口に残ります。1級畑のClos Prieur(Haut)に隣接し、Clos Prieur Baは村名畑ですが、1級並の品質を備えた素晴らしいキュヴェです。
テイスティング・コメント
光沢が美しいダークチェリーレッド。粘性は中程度。香りにはラズベリーやブラックベリー、スミレ、リコリスのアロマにバラのドライフラワー、ポプリ、スパイシーなオークのノートがアクセント。木樽由来のバニラやクローブ、香木の香り。崇高な雰囲気を醸し出し、その奥行を増していく。なめし革やジビエ、森の下草、枯れ葉などの熟成による複雑なブーケが広がり魅了する。アタックはなめらかでしなやか。広がりのあるリッチな果実味で、熟度が高く温かみが感じられる。果実を煮詰めたような凝縮味と官能的なテクスチャー、酸とのバランスが優れており柔らかく味わい深いもの。タンニンはきめ細やかでスタイリッシュ、余韻は長く果実とオークのフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は、赤身肉料理、鴨肉のロースト、豚肉の角煮、ジビエなど。
2018年5月試飲
ドメーヌ・ジョセフ・ロティ
ジュヴレ・シャンベルタンの名門ドメーヌ。家名として1610年まで、ドメーヌとして1817年まで遡ります。歴史あるだけに多くの古木を有しこれだけで遺産的価値です。それに甘んじる事無く畑作業を重視し、摘葉や摘果を細かく行う等、多くの時間を割いています。
厳格なリュット・レゾネで収穫は全て手作業。醸造法は伝統的なスタイルです。上面開放タンクで温度管理を徹底し、手でピジャージュを行います。発酵は約3週間。最上のトロンセとヴォージュ産の樽を使用します。樽熟約18ヶ月。グラン・クリュを除き通常50%新樽使用、残りは1年樽使用。非清澄、非濾過。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティと同じ選別機やプレス機等を導入し、より凝縮されたピュアな味わいを表現できるようになり、近年さらに評価を高めています。
驚くべきポテンシャルと複雑味溢れる香り、洗練され、しなやかさと力強さとを見事に調和させています。多くのワイン・ジャーナリストが大変高い評価をしています。2015年10月、若くして急逝したフィリップ・ロティ氏の跡を継いだのは、弟のピエール・ジャン・ロティ氏。ドメーヌとして彼で12代目となります。フィリップはここ数年病に伏していた為、実質的には彼がドメーヌを任されておりその名声を高めていました。正式な後継者となった今、父と兄の意思を継ぎ、さらなる発展の為に意欲を燃やしています。
※フィリップ・ロティラベルは今後、ジョゼフ・ロティラベルに統一していく予定です。