モリスファームズ ヴェルメンティーノ トスカーナ 2021
ヴェルメンティーノの柔らかな酸とヴィオニエのもつ華やかな香り。
粘土質でわずかに酸性の化石混じりの土壌です。圧搾したマストは冷やして澱下げし、ラッキングします。14~16度で約2週間ゆっくり発酵させます。空気と接触させず、酸化を防ぐように、タンク上部の空間に二酸化炭素を充填させておきます。ボトリングまで温度管理されたステンレスタンクで休ませます。フレッシュでありながらなめらか、スパイシーでミネラル。ヴィオニエの存在をしっかり感じるような白桃の香り。
テイスティング コメント
淡いストローイエローに微かにグリーンのトーン。粘性は高め。香りにはグレープフルーツやライムなどの柑橘類に白桃、リンゴの花、ジャスミン、ミント、アニス、ホワイトペッパー、爽やかなハーブのノート。そして少しのスモーキーさとミネラル、心地よい塩気が感じられ清涼感がただよう。アタックは爽やかでクリスピー、ピチピチと弾ける爽快な飲み口で、同時になめらかな質感が感じられる。ミネラルを含み、際立った酸味の豊かさと、香りにみられる印象的な果実・花を思わせ、風味が伸びやかに広がる。果実味と酸味、ミネラルが絶妙のバランスを保ちキレの良い辛口、溌剌としつつも品がある。味わいはドライで引き締まったフィニッシュ、アフターには果実とほろ苦いミネラルのニュアンス。合わせるお料理は、前菜、繊細な食材を使った和食、刺身、魚介料理、カツレツ、ツナやバジルのパスタなど。
2018月6試飲(2016年ヴィンテージ)
モリスファームズ
モリスファミリーは何世代にも渡り農業に従事してきました。その後、葡萄栽培を専門に行なうようになりました。畑への投資、そして強い情熱と意志のおかげで、最大限の素晴らしい結果が得られています。現オーナーはジュリオ パレンティーニ氏、エノロゴはウンブリア、エミーリア ロマーニャ、カリフォルニアなどで活躍する“アッティリオ パリ”氏、アグロノミストはオルネライアなどのコンサルタントもするアルドレア パウレッティ氏です。モリスファームズのワインはエノテカ ピンキオーリを初めとした星付きレストランでリストに載せられています。モッレリーノ ディ スカンサーノが2007年からD.O.C.G.に格上げされたのは、モリスファームズと他の2つの生産者によるものであろうと、高く評価されています。
現在、2つの農園でワイン造りを行なっており、1つがマッサ マリッティマの近くにあるファットリア ポジェッティ(37ha)で「アッヴォルトーレ」と「モンテレージョ」を、もう1つはモレッリーノ ディ スカンサーノにあるポッジョ ラ モッツァ(33ha)で「モレッリーノ」と「リゼルヴァ」が造られています。
ファットリア ポジェッティの畑は、粘土質でカルシウムが豊富という特徴があります。PH7.7の弱アルカリ性で、水はけの良い土壌です。畑の標高は海抜80~100m、畑は南西に面しています。ポッジョ ラ モッツァの畑は丘陵地で、標高は海抜100mほどです。土壌はPH6.3と酸性に近く、石、粘土、石灰岩がみられます。同じ畑の中でも、上部、中腹、下部で土壌が大きく異なります。肥料は牛糞メインで、オーガニックのものを使用、4~5年毎に化学肥料も調整のために使っています。害虫対策には、フェロモンを使用しています。収穫はアッヴォルトーレのみ手摘み、他は機械摘みで、選果テーブルを使用します。