バターフィールド サン ロマン ブラン 2020
太陽をしっかりと浴びた温かみがあり、活気に満ち溢れ、ミネラルが生き生きとした成熟したヴィンテージとそのロケーションがワインにあらわれています。
熟成: バリック11ヶ月後、澱と共にステンレス タンク8ヶ月
畑: 0.46haのリューディー(ラ・ペリエール/La Périère)1区画、北東向き、粘土石灰質土壌。
テイスティング コメント
グリーンを帯びた淡いゴールド。粘性は高め。アロマは濃密で、グレープフルーツやパイン、ネクタリンなどの果実香に、香り高い菩提樹や石灰的なミネラルのノートが混じり合う。スパイシーかつスモーキーで上品な樽香、バニラやカシューナッツなどの香りが広がり後に蜂蜜のような甘いニュアンスも。豊かなボリュームに加えて気品が感じられる。口に含むとなめらかで肉厚なボディ感。活気に満ち溢れており、ミネラルを含む果実味は力強く、その表情の豊かさに驚かされる。味わいは丸く温かみがあり、一方で煌びやかな印象を受け、骨太なミネラルがバックボーン、しっかりと味わいを支えている。重心はやや低く飲み応え◎、アフターにはミネラルとグレープフルーツの皮のようなほろ苦さ。合わせるお料理は、ローストチキン、エビフライ、蒸し料理、野菜炒め、野菜のマリネなど。チーズであればカマンベールがおすすめ。
2018年8月試飲(2015年ヴィンテージ)
バターフィールド
トロント出身のデイヴィッド バターフィールドのワインに対する情熱は、ブルゴーニュの土地とワインをこよなく愛する両親から受け継いだもの。16歳で初めてブルゴーニュを訪れた時、「決して後ろを振り返るまい。偉大なワイン造りは自分の目標なのだ」と決意したといいます。
後にデイヴィッドはフランスに渡り、まずボーヌの醸造学校で醸造を学んだ後、ドゥー モンティーユ、ドメーヌ ド シャソルネイ等で更なる修行に励みました。そして、2004年にネゴシアン業を立ち上げ、2005年に念願の自らの手によるワインをようやく世に送り出すことに成功しました。彼の考えるワイン造りとは、テロワールの本質を得る事。「テロワールのエネルギーがワインの中に入っている事が重要で、そうでなければ意味がない」とまで言い切るこだわりよう。
そんな彼が初ヴィンテージでいきなり素晴らしいワインを造りあげました。生産本数わずか2400本。彼の想いが詰まった、これぞまさにムルソーと感じさせるアロマが口中に広がる、舌触りの良いワインが出来上がりました。ワイン生産者なども集うボーヌのレストランでは既に人気を博しており、大半がボーヌ内で消費され、翌年以降もボーヌ以外では見かける事が難しいワインとなってしまいました。ユニークなラベルの形の『B』は彼の想いである “Beaune”、 “Beautiful”、 “Butterfield” の頭文字を表しています。彼の『ボーヌの美しさ』を追求する情熱が詰まったこのワインは、今後も期待を裏切る事無く成長を続けることでしょう。
栽培方法
ボーヌ ブレッサンドやムルソーの一部など、一部の区画ではビオロジックの栽培を採用。それ以外はリュット レゾネによる栽培。
醸造方法
白においては、フレッシュさを残すため、部分的にマロラクティック発酵を行わない。約12ヶ月間(プルミエ クリュは18ヶ月)の樽熟後、軽く清澄し、フィルターをかけ、瓶詰します。また、赤においては、ブドウの90~100%除梗。区画ごとに醸造・熟成を行います。瓶詰前にフィルターはかけません。