ポール・ガローデ ムルソー ヴィエイユ・ヴィーニュ 2015
樹齢80年を超える古木からなるムルソーは、リッチでパワフル。しかも深く伸びた根が母岩のミネラルを吸収し、中盤から全体を引き締めます。アカシアの花、白桃、蜂蜜、ヘーゼルナッツ。ムルソーらしいムルソー。
テイスティング・コメント
明るいブロンズゴールドに微かにグリーンのトーン。粘性は中程度より高め。香りにはリンゴや白桃、アカシア、柑橘類の花、カルダモン、アニス、木樽由来のバニラやトースト、バター、香木と、ボリューミーでその奥行が増していく。焦がしキャラメルやアーモンド、ヘーゼルナッツの香りが続き、スモーキーなミネラルのニュアンスも感じられる。アタックはなめらかでリッチ。瑞々しく濃密な果実味が広がるクリーミーな質感と、その上でクリスピーな酸が感じられる。バックボーンとなるミネラルは高樹齢の古木に起因する。ストラクチャーがありパワフル。ゆっくりと味わいたい美味しさ。まずは飲んでみてポテンシャルの高さを堪能するのも楽しい。熟成後の変貌を見るのもいい。合わせるお料理は、牛フィレの鉄板焼き、網焼きのオマールや伊勢海老、天ぷら、フォワグラ,穴子など。
2018年11月試飲
ポール・ガローデ
モンテリーの組合長を務め、コント・ラフォンの醸造長を務めた事でも知られるポール・ガローデはこの村の重鎮的存在です。ヴォルネイとムルソーに挟まれ、いささかマイナーなこのアペラシオンのPRに日夜尽力してきました。
お膝元のモンテリーに4つの1級畑を所有するだけでなく、ヴォルネイ、ポマール、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェにも畑を所有。総面積は10.5haで5.5haが赤、5haが白。テロワールの特徴を引き出すため、農薬の使用を可能な限り抑えたリュット・レゾネでブドウを栽培しています。
「ブドウの状態に応じたレシピのないワイン造り」がポール・ガローデのポリシーです。低温マセレーションやキュヴェゾンの期間、ピジャージュの頻度などは決まっていません。赤ワインの場合、ブドウは完全除梗。樽熟成では毎年およそ3分の1の樽を入れ替えますが、新樽率もワイン次第です。樽熟成期間はヴィンテージとアペラシオンに応じ、12~18ヶ月といったところ。清澄なし、無ろ過。軽く冷却をかけて瓶詰め。こうすることにより、果実味を損なうことなく、きれいな色艶を保つことが出来るといいます。
白ワインは優しく圧搾し、デブルバージュの後に樽詰め。アルコール発酵、マロラクティック発酵も含めて12~18ヶ月間、ワインと澱を接触させ、2週間ごとにバトナージュを行います。清澄の後、軽くろ過をかけて瓶詰めします。
ポール・ガローデのワインはモンテリーという村のように、派手さこそないものの堅実な造りで定評があります。モンテリーの赤白はヴォルネイやムルソーに負けない酒質をもち、かつ価格的にもリーズナブルなので、レストランにもおすすめです。