BK ワインズ スキン&ボーンズ ピノ・ノワール 2016
深い粘土層の上に砂質ローム。90%全房、10%除梗されステンレスのオープンファーメンターで90日間のスキンコンタクト。その後10%の新樽を含むフレンチバリックで12か月熟成。フィルター、清澄はしない。醗酵は野生酵母。補酸はしていません。
テイスティング・コメント
透明感のあるルビー(やや淡く柔らかな色調)。粘性は中程度よりやや高め。アロマは魅力的で、ラズベリーやザクロ、プラムの香りが広がり、ジャムのような甘さと、フェンネルやローズヒップ、ピンクペッパー、マスタード様のスパイシーな香りが混じり合う。言うなれば甘い香りをもつ梅のニュアンス。そして爽やかな酵母にミネラルのヒント。樽香は控えめで、新鮮な果実香が尊重される。口に含むとなめらかで風味豊かな果実味が伸びやか。香りと同じく新鮮味に溢れ、先ずはフルーティーさが前に出るも中間部からアフターにかけてはドライ感。ミネラルを含み、スパイシーさをアクセントに味わいの層が格段に上がる。艶っぽくジューシーで、かつスパイシー、杯を重ねる度にその複雑さが増していく。奥深きピノ・ノワール。タンニンはやさしく飲み心地が良い、活力に満ちている。余韻も長い。合わせるお料理は、鶏肉の赤ワイン煮、豚のリエット、ソーセージ類、サーモン、マグロのたたきなど。
2018年11月試飲
BK ワインズ
オーナー兼ワインメーカー・・・ブレンダン・キース氏。
ニュージーランド生まれのブレンダン・キースは、アルティザンなクラフトワインの造り手が集まる、今、オーストラリアのみならず世界で一番ホットな産地、南オーストラリアのバスケットレンジで、その名声の一翼を担うに値する作品を産み出しています。
NZのギズボーンでワインメーカーとしての歩みを始めたブレンダンは、カリフォルニアに移り、かつてオーパス・ワンの醸造ヘッドを務め、その後ロシアンリヴァー・ヴァレーに自分の名を冠したワイナリーをスタートしたポール・ホブスの元でスキルを磨きます。その後2004年にはポールに乞われアルゼンチンのヴィーニャ・コボスの設立に参加しました。
また昨年秋には、Le Grappin(Andrew Nielson)とブルゴーニュでコラボしたガメイを醸造しました。醸造に立ち会ったChanterivesの栗山さんは「Brendon のプロフェッショナルな仕事ぶりには学ぶところが大きいです。SO2を最小限に抑えても破綻の無い作りで、あの品質を保てるのですから凄いです。」と絶賛しています。
南オーストラリア州
オーストラリア大陸の中央にまたがる南オーストラリア州は、オーストラリアワインの生産量の大半を担い、また、世界で最も古いブドウの木が現存する地でもあります。南オーストラリア州のバロッサ・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイル、クレア・ヴァレーやアデレード・ヒルズに見られる由緒ある古いブドウの木は、世界各地から隔離していたことが功を奏し、北米やヨーロッパ、そして後にオーストラリア東部のブドウ園を襲ったフィロキセラの被害を免れることができました。検疫規制が設けられたため、南オーストラリア州のブドウ園はフィロキセラから完全に守られ、この州のブドウ栽培の優位性を保つことができました。また、南オーストラリア州は多様な産地に恵まれています。比較的温暖なバロッサ・ヴァレーを始め、海洋性気候に恵まれたマクラーレン・ヴェイルやフルーイオ半島のカレンシー・クリーク、そして、ラングホーン・クリークやサザン・フルーイオがあり、また、より冷涼なアデレード・ヒルズ、さらには温暖なマレー河沿いのリヴァーランドなどがあります。