ドメーヌ・ミシュロ ムルソー クロ・サン・フェリックス 2017
名前の由来:家屋と隣接したクロ(石の塀で囲まれた畑)は1740年代にルイ15世の時代の徴税吏であったティルウ・デュ・サン・フェリックス氏の名前から付けられています。粘土石灰質の土壌と小石が混じり合った下層土は、このアペラシオンに対してユニークな個性をもたらしています。
テイスティング・コメント
グリーンがかった淡いイエロー。粘性は高め。香りには木樽由来のバニラやトースト、焦がしキャラメルの香り。そしてリンゴや梨、白い花のアロマが広がりナッツ、バター、花の蜜、ミネラルのノートが混じり合う。他にアニス、ジンジャー、香木の香り、フリンティなニュアンスも感じられる。口に含むとなめらかでクリーミー。キメ細かな質感があり、豊かな酸が綺麗に溶け込んでいる。艶やかで繊細、その上で旨みがあり、ミネラリーだが伸びやかに風味が広がる。非常にクリアーな印象、温度の上昇と共にオイリーさが増していく。中庸のボディ感に、引き締まったミネラル、アフターの余韻も長い。洗練さや趣のある気品が感じられる。合わせるお料理は、川魚料理、網焼きのオマールや伊勢海老、鮑、天ぷら、フォワグラなど。
2018年12月試飲(2015年ヴィンテージ)
ドメーヌ・ミシュロ
ドメーヌ・ミシュロは、7世代に亘りブルゴーニュ、ムルソーの地でワインを造り続けています。時代につれて拡大してきたドメーヌは、強い個性を持ったベルナール・ミシュロの1960年代に飛躍発展し、今ではいくつかの1級畑を含む約19ヘクタールの畑を家族で所有しています。各テロワールの個性を最大限に生かすため、除草剤は使用せず、減農薬栽培を取り入れています。収穫は手摘みで行われ、選果は畑で行われます。石灰質土壌の畑で育ったぶどうは、いきいきとしたミネラルに溢れたワインを造り出します。
現当主ジャン・フランソワ・ムストルは、 テロワールを非常に大切にしており、生産過程においてワインの酸化を防ぐことに対して最大限の注意を払っています。そのため造られたワインはとてもフレッシュで綺麗なムルソーとなりました。現在ドメーヌは、新しい世代で歴史と伝統を守りつつ、新たな発展を遂げています。
畑の作業
農薬の使用は最小限に抑え、数度の畑の耕し(掘り起こし)を行う減農薬栽培を取り入れています。区画ごとに草を生やしつつ(除草をしない)、定期的な刈り込みによる畑の管理を行っています。この除草しない方法はブドウ樹の水分吸収にストレスを与え、それによってぶどうが地中により深く根を生やすシステムを強いる事となり、さらに農薬使用を制限するのを助け、それが本来の各テロワールの特色を際立たせる事となります。
シャルドネの醸造方法
手摘みによる収穫、そして畑でブドウ果の選別を行います。運搬には特殊なステンレス製のケースで醸造所まで運ばれます。
醸造時においては、まずその年のぶどうの成熟状態により、圧搾の前に破砕することもあります。もしくは収穫したもの全てを空圧式圧搾機でプレスします。樽に入れてアルコール発酵が、次いでマロラクティック発酵が始まる前に、軽い前清澄が6~12時間、低温で静かに行われます。
樽による熟成中(新樽使用15%)、白ワインと澱をかき混ぜるドディナージュは年度によって数回適正に行われます。ワインは中樽で10~12ヶ月間熟成され、その後に澱引きを行い、それから各樽のワインをまとまりのあるものにするために、発酵タンクで5~6ヶ月間一緒に寝かします。清澄作業は年によりますが、少しだけ行われ、そして瓶詰めの前に一度だけ軽く濾過を行います。熟成期間はトータルで16~18ヶ月に及びます。
ドメーヌ・ミシュロでは白ワインの酸化という問題にとても注意を払っています。何故ならそれは、各テロワールの特性とワインの新鮮さを最大限に守るためなのです。