オリヴィエ・ギュイヨ マルサネ・ルージュ レ・ファヴィエール 2012
テイスティング・コメント
エッジが赤みがかったルビー。粘性は中程度よりやや高め。香りはブラックチェリーやプラムソース、スパイシーな香りが豊かで、バラのドライフラワーに、シナモン、バニラ、オークの要素が混じり合う。そしてタバコや落ち葉、下草、野生の土のような熟成香、ジビエなどのニュアンスが加わり、さらなる複雑さが増していく。口に含むとソフトでなめらか。熟成により味わいは円やかだが、しっかりと酸が感じられ骨格を形成。派手さのないクラシカルなスタイルで、そこに伝統を感じさせる。落ち着いた印象をもち、旨みがじんわりと広がり、タンニンはキメ細やかで、酸と果実のバランスがとれている。ゆっくりと飲むことで、滋味深さと上品なコクが楽しめる。広がりのあるアフター、ビター加減が心地よい。合わせるお料理は、リブやハラミのステーキ、赤身肉料理、鴨肉のロースト、鶏肉の香草焼き、野菜炒め、シャルキュトリーなど。
2018年12月試飲
オリヴィエ・ギュイヨ
ビオ・ディナミ農法を実践し、畑は伝統的な馬車馬によって耕作。ブドウの収穫は、すべて手摘みで行っています。真摯に畑と向き合い、ブドウの声に耳を傾ける優美さを備えたワインは、こうして生まれるのです。
ギュイヨ家はマルサネで代々ブドウ農家を営んでいた古い一族で、耕作の労働力となる馬を飼育していました。1951年、まだ若いアルベルトが家業を継ぎ、ワインを造って地元のドメーヌに販売していました。そして1962年、アルベルトは苗木栽培者で地主の娘のオディールと結婚、これを機にブドウ畑を増やしていきます。1990年以降、息子のオリヴィエがマルサネからジュヴレ・シャンベルタンまでの土地を15ヘクタールに増やし、さらに本格的にワイン造りを始めました。オリヴィエは、赤はピノ・ノワール、白はシャルドネという土地の品種にこだわり、テロワールを生かしたワインを生み出すべく、ワイン造りに情熱を傾けています。
「より高品質なワインを」とブドウ栽培もビオ・ディナミ農法で行っています。彼の“相棒”は牝馬インディゴで、今も畑で働いています。自然に敬意を払い、伝統的手法で造られるワインは、マルサネのテロワールを如実に表現しています。