マルクグラフ・フォン・バーデン シュロス・シュタウフェンベルク ソーヴィニヨン・ブラン トロッケン 2014
1830年に、あのシャトー・ディケムからもたらされたソーヴィニヨン・ブラン!
フォン・ブラッハ家がディケムのオーナー、リュル・サリュース家と繋がりがあったことから例外的に受け渡され、マルクグラフ・フォン・バーデンにもたらされました。
醸造:ステンレスタンク(MLF無し)
テイスティング・コメント
黄金がかったイエローにグリーンのトーン。粘性は中程度。桃やメロン、パッションフルーツ、コンポートした果実を思わせる濃密なアロマに、グリーンアップルや柑橘類のニュアンスがフレッシュな印象を与える。さらにムスク、ジンジャー、ジャスミンの香りが広がり、さも芳醇で、アロマティックな芳香がただよう。口に含むと、しなやかかつジューシーで、ミネラル感に溢れたリッチな味わい。風味が豊かで、中盤から質感とボディ感が増していく。骨太なミネラル質とともに調和のとれた酸が全体を程よく引き締め、スッキリ感はもちろんのこと飲み応えも◎。たっぷりとした旨みがあり、それでいて伸びやか。フィニッシュのキレが良く、総じてエレガントなスタイルに仕上げている。合わせるお料理は、ポン酢を添えたお造りやシーフードサラダ、サーモンや白身魚のカルパッチョ、寿司、天ぷら和食など。
2019年2月試飲
ヴァイングート・マルクグラフ・フォン・バーデン
900年に渡り愛されるロイヤル・ファミリー バーデンの君主として
バーデン大公国の君主として、20世紀初頭までの約900年間に亘りバーデンの地を統治してきたロイヤル・ファミリー。英国王室、スペイン王室、ギリシャ王族、モナコ公国などヨーロッパの王族と姻戚関係にあり、君主としての役割を終えた現在でも人々に尊敬の念とともに、大変愛されているファミリーです。現在は所有する城の一部を大学として開放する一方、3つの城でそれぞれのテロワールを活かしたワイン造りを行っています。
銘醸地、黄金の村ドゥルバッハ
ワイナリーの一つ、シュロス・シュタウフェンベルクでは、最も古い記録によると、882年にピノ・ノワールが栽培されていたという記載があり、1000年以上にも亘りピノ・ノワールの銘醸地として知られています。この地はまた優れたリースリングを育むテロワールとしても憧れの的となっています。城の一部はまた、レストランやワインバーとしても開放され、市民の憩いの場にもなっています。
気さくな人柄で愛される現代のプリンス
バーデンの発展を常に心に留め、公務を務める若きプリンス。
「自分が出ることでバーデンのこと、また素晴らしいこの地のワインが少しでも知ってもらえるなら」と、自らマーケティングの場にも積極的に参加されます。ローマ時代から王侯貴族が集う豪華な温泉リゾートとして知られるバーデンはまた、競馬も盛ん。日本とも深い交流があり、記念杯の贈呈などで来日されることもしばしばです。
“ワインは仕事以上のものを与えてくれる”
最適な区画でクオリティを求めるのが醸造家のアートと考えるキルヒナー氏。祖父も醸造家であり、若い頃は醸造とソムリエのディプロマを修めました。ここシュロス・シュタウフェンベルクはリースリングとシュペートブルグンダーのみ栽培。「自分にとってワインは仕事以上のもの。ワイナリーの全ての仕事、ワインを造ること、そして長く受け継がれたワインという文化に触れることが最高の喜び」、と語ります。
自然な農法を第一に心がける
誰もが憧れるテロワール
「黄金の村」と謳われ醸造家であれば誰もが一度はこの地でワイン造りをしてみたい、と思うほど憧れる見事なテロワール、ドゥルバッハ。ワイナリーでは、伝統的な栽培、つまり自然を尊重する栽培を心がけており認証は取得していませんがビオロジックで栽培を行っています。
ブドウの房を半分に切ってしまう!?
マルク・グラフ・フォン・バーデンでは、ブドウの成熟を最高の状態にして凝縮感を高めるために全てのブドウの房を早い段階で半分に切ってしまう、という驚くべき作業を行っています。収量は下がりますが、品質のためにはこうした大胆な作業も厭いません。
手を加え過ぎず、テロワールを表現する
「あくまでワイン造りに徹しますが、ワインメーカーという言葉は私たちにはしっくりときません。ワインは作るものではないからです。ドイツは大量に物を作る事が多く、考え方が工業的な生産者も多いです。ボトリング工場がドイツに多いのもその理由の1つです。マルクグラフ・フォン・バーデンはあくまで一造り手であり、小さい規模で、手摘みで丁寧に収穫、畑・ブドウありきの考え方は、手を加え過ぎず、バーデンのブドウをそのまま表現する事を哲学としています。」
畑には常に風が吹いている
風のおかげで菌が付き難い
シュロス・シュタウフェンベルク城を頂に広がる畑には、常に風が吹いているため、菌が付き難い環境にあります。ワイナリーの代表品種であるピノ・ノワールにもボトリティス菌が付いてしまう事がありますが、ブドウにとっては貴腐菌にならない限り、通常は毒でしかありません。そのため、畑の上部から吹き下ろしてくる風は菌を付けない為にも非常に重要です。品種に最適な区画を選ぶワイナリーでは、ピノ・ノワールは常に頂の最上部に栽培されています。