ピション コンテス レゼルヴ 2018
スーパーセカンドの筆頭シャトー「ピション ラランド」がつくるセカンド ワイン。エレガントでありながらしっかりしたボディを持ち合わせています。
テイスティング コメント
紫がかったルビー / ガーネットの色調。香りは黒のベリーやチェリー、スミレのアロマとホワイトチョコレート、モカ、杉のニュアンス。そして林床、湿った土の香りにスパイスの要素が混ざり合う。味わいは丸みを帯びでおりリッチ。力強く濃厚でありながら繊細なタンニン、酸はフレッシュで品が良くバランスがとれている。官能的なフォルムで、時間の経過と共に質感が増していく。伸びやかな余韻、香ばしくも甘いチョコレート、何とも魅惑的である。
合う料理 仔羊やラム肉のロースト、仔羊と野菜のハーブ焼き、ジビエ、茸料理など。
2024年6月試飲
シャトー ピション ロングヴィル コンテス ド ラランド
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート パーカーJr.著より抜粋
現在、ピション・ドングヴィル・コンテス・ド・ラランド(ピション=ラランド)は間違いなく最も人気が高く、1978年以降ポイヤックで最も一貫して輝かしいワインとなっている。この村の3つの名高い一級シャトーにも肩を並べられるほどである。1961年以降、大変な成功を収めてきたが、1970年代後半から1980年代前半にかけ て、ランクザン夫人(彼女は同業者から親しみをこめて「女将」と呼ばれている) のエネルギッシュな指揮のもとで品質が劇的に向上したのは疑う余地のないことである。
ワインのつくりは知的で、暗い色をしており、しなやかで、フルーティで、若いうちから飲めるほどなめらか。マルゴーのパルメとともに、メドックでは最もよく知られたメルロのブレンド比率が非常に高いシャトーの一つという特異性があるのだが、それでもピション=ラランドは10〜20年は上品に熟成できるだけのタンニンと深みとコクがある。メルロの比率の高さ(35%)が、ワインのやわらかく、肉付きのよい特徴に一役買っているおとも間違いない。
このシャトーは、かつてはピション=ロングヴィルという1つのシャトーの一部分だった。分割されたのは1850年で、ランクザン婦人の父エドゥアール・ミアイユが購入したのは1924年のことだが、現在の名声を築いたのは娘のほうだ。1980年代にはかなりの投資が行われ、1980年には発酵室が、1988年には新しい樽熟成のためのセラーとテイスティング・ルーム(お隣のシャトー・ラトゥールの壮観な眺め付き)が新しくつくられた。シャトーの改修が完了したのは1990年のことで、今では樽貯蔵室の上に立派な博物館もできている。ランクザン夫人もピション=ロングヴィル・バロンの筋向いにあるこのシャトーに住んでいる。畑はポイヤックとサン=ジュリアンの両方にまたがっており、ピション=ラランドのしなやかなスタイルはそのサン=ジュリアン側の性質によるとされることが多い。
一般的な評価
才能豊かなメイ=エリアーヌ・ド・ランクザンのひらめきあるリーダーシップによって1980年代初頭からは大幅によくなっており、今では一貫して秀逸なワインとなっており、ヴィンテージによっては一級の品質を示すこともあるが、価格は一級よりかなり安いので、良好なお値打ち品であることに間違いはない。また、一般的に寿命が長く、ヴィンテージの状態を問わず特筆に価するほど一貫性がある。