ヴェレノージ ルディ 2016
手摘みで収穫。柔らかくプレスした後、約30日間発酵と醸しを行います。熟成はオークの新樽100%(バリックと大樽)を使って品種毎に別々に24ヶ月間行い、さらに瓶詰め後6ヶ月間寝かせます。‘06年からは、よりエレガントなスタイルにするために、メルロとカベルネにはライトローストの樽を、モンテプルチャーノはこれまで通りミディアムローストの樽を使うようになりました。地元のレストランでも、1軒に1本ずつしか分けてもらえないという幻のワインです。ワイン名の「ルディ」とは、ラテン語で『ゲーム、チャレンジ』の意味です。もともと冗談半分の遊びのつもりで500本ルディを造ったことから、その名前を付けたそうです。またワイン自体もグラスに入れて置いておくと、だんだん変容していき、その様がまるでワインが「遊んでいる」ようだ、という意味を掛けているそうです。
評価
2010Vt ルカ・マローニ・ベストワイン年鑑:98点獲得
テイスティング・コメント
黒みの強い深いルビー、グラスの底は見えない。粘性は高め。香りには熟したブラックベリーやラズベリー、カシスリキュールなどの凝縮した果実香にスミレ、クローブやブラックペッパーなどのスパイス、ドライハーブ、芳しいオークのノートが混じり合う。奥へと引き込むような魅惑的なアロマはインパクト抜群。品の良い樽香にはバニラ、カカオ、チョコを思わせ、スモーキーさと複雑さが加わる。アタックはソフトで全体に丸く、まろやかなテクスチャー。濃厚な果実味と豊富なタンニン、伸びのある酸味とが見事な調和をみせる。完熟ベリーの甘酸っぱさにオークの要素が溶け込み、たっぷりとした旨みで満ち溢れている。香り同様にリキュールのようなアルコール分が充実しており、ふくらみが豊か、リッチなボディ感を備える。飲み応えがあり、余韻も長め。構造がしっかりとしておりさらなる熟成が期待できる。合わせるお料理は、赤身肉を中心とした料理、鶏肉のトマト煮、トマトソースベースのパスタ、茄子の挽肉詰め、デミグラスソースを使った料理などがおすすめ。
2017年2月試飲(2012年ヴィンテージ)
ヴェレノージ
ヴェレノージは、イタリアのアドリア海沿岸のほぼ中心に位置するマルケ州のアスコッリ・ピチェーノ地方でワイン造りを行う、注目を集める生産者です。父の自家用のワイン造りを小さい頃から手伝っていたエルコレが、抑えきれない情熱とともに始めたワイン造りは徐々に拡がり、現在では105haもの葡萄畑となりました。かつては「無口な職人エルコレ」というイメージでしたが、今は20名の若いスタッフが協力して品質向上に努めるチームとなっています。エルコレはテイスティングやワインの総合管理を行い、個々のワインには担当者がいて、全ての決定はスタッフ全員で行っています。
2002年6月から、トスカーナ出身のトップエノロゴ、アッティリオ・パリをコンサルタントに迎えました。かの著名なワイン評論家ロバート・パーカー Jr.は「ワインアドヴォケイト、152」で、アッティリオ・パリの参加について『重要な動き』として言及し、『マルケ南部のリーダー的生産者となりつつあることを確信している。』と書いています。
日当たりのよい斜面の畑から注意深くデリケートに栽培された葡萄を、各ワインのタイプにとって、最もアルコール含有量が適当となる糖度の時期に収穫します。また、ワインへの醸造は生産サイクルの重要なプロセスです。畑での作業の結果を十分生かすため、コンピュータ管理された温度コントロールした醸造方法、ソフトでデリケートなダメージをもたらさないプレス、ワインの種類によって様々なサイズや種類のステンレスタンクやオーク樽を使い分ける熟成が、色、味、ブーケ、アフターがパーフェクトなバランスの品質につながります。
ロッソ ピチェーノの最良の生産者として掲載
エルコレのワインはすでに国内外で高く評価され、ヒュー・ジョンソンの「ポケットワインブック」ではロッソ ピチェーノの最良の生産者として、イタリアワインのガイドとして名高い「ガンベロ・ロッソ」でも好評価を得ています。ほとんどのイタリアワインが集う展示会ヴィニタリィの品評会や、その他国内外の品評会でも毎年のように受賞しています。