シャトー・コス・ラボリ 2005
テイスティング・コメント
深みのあるガーネット。粘性は高め。香りは凝縮感があり、カシスやブラックベリー、プルーンのアロマにリコリス、燻したハーブ、ペッパーのヒント。そして木樽由来のバニラやダークチョコ、燻煙などスモーキーな香りが奥行を与える。他にタール、タバコ葉、湿った土のニュアンス。口に含むとスムーズでなめらか。しっかりとした、豊かな味わいに中庸のボディ感、豊富なタンニンだが、綺麗に溶け込んでおりシルキーで、まとまりが良い。若いうちはタニックで硬さもあろうが、熟成を経ていてまろやか。低い酸度とも相俟って飲みやすい印象を受ける。緻密で、ミディアムからフルボディ。偉大なヴィンテージを想起させる実り豊かな果実感に、粘性もあり総じて質感がある。合わせるお料理は、牛やラム肉のロースト、ミートローフ、ジビエ、煮込み料理、オリーブオイル料理など。
2019年4月試飲
シャトー・コス・ラボリ
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
何十年もの間、コス・ラボリはすべての格付けシャトーのうちで期待外れの最たるものの1つだったが、この10年間で、味わい、訪問する価値のあるシャトーへと変貌した。1989年と1990年の秀逸なワインから始まった品質の復活は、2000年ヴィンテージまで続いている。1990年代の多くのヴィンテージの葡萄は、1989年や1990年に母なる自然が与えてくれた葡萄にははるかに及ばないものであったにもかかわらず、である。現在のワインは、出来栄えが良く、色に深みがあり、豊かで、筋肉質で、タニックである。品質が著しく向上したのは当主ベルナール・オードワによる選別の厳格化や、樽内マロラクティック醗酵、濾過処理なしの瓶詰めなどのおかげである。
一般的な評価
コス・ラボリは、1990年代の初頭から良くなった。生産しているワインはもはや凡庸ではなく、最近の作品は五級の名にふさわしいものとなっている。価格はリーズナブルで、メドックでも最も興味深いお値打ちワインの1つにランクされている。