リシャール・フリニョー ペルル・ダイ ブリュット グラン・クリュ NV
1998年以降のリザーブワインを40%ブレンドした、贅沢すぎるNV.
平均樹齢60年。海抜400mの南向き斜面という絶好の区画のブドウから造られます。ソレラシステムで貯蔵したリザーブワインの比率が40%と高く、味わいに複雑さと奥行きを加えています。Ayならではのふくよかで豊満なピノ・ノワールと、シャルドネ由来のフレッシュな酸を見事に表現。1本でAyの魅力を体現する、贅沢すぎるスタンダード・キュヴェ。
ベースワイン: 2016VT 60%、リザーブワイン40% (1998 - 2015)
熟成: 27ヶ月。 ドサージュ: 8.44.g/L。
テイスティング・コメント
キラキラと輝くゴールド/イエロー。香りは新鮮なリンゴや洋梨、白桃、オレンジピールのアロマに、ハチミツやヘーゼルナッツの香りが印象的。さらにナツメグなどのスパイスの香り、濡れた石、洗練されたミネラルのヒント。口に含むとふくよかで、フレッシュ。ボリュームを感じる果実味がじんわりと口中に染み渡りグリップは中庸、次第に重量感を増していく。熟したベリーフルーツを想わせるジューシーな味わいで、贅沢な甘酸っぱさ。ストラクチャーがしっかりとしており風味は親しみやすいもの。杯を重ねる毎に品よくまとまっていく。合わせるお料理は、白身魚のフリット、魚・肉料理、寿司、アスパラとベーコンのキッシュなど。
2020年4月試飲
リシャール・フリニョー
1905年にシャンパーニュ造りを開始したリシャール・フリニョーは、アイとマルイユ・シュル・アイに畑を所有しています。元々エペルネの栽培家でしたが、1918年にポテンシャルを見込んだアイに拠点を移し、現在に至っています。かつては自社畑からシャンパーニュを造る一方、ネゴシアン部門も運営していましたが、幼少の頃よりシャンパーニュ造りの手ほどきを受けてきた4代目の女性当主ナデージュ・リシャール・フリニョーは所有畑のテロワールをより反映したクオリティの高いシャンパーニュを求め、息子ジェムスとともに1998年からレコルタン・マニピュランのみに専念しています。
自然な果実をシャンパーニュに留めることをモットーに、栽培にはリュット・レゾネを採用。ベースワインの醸造では、果汁は一番搾りのキュヴェのみ用い、ブドウが本来持つ酸を変質させないよう、マロラクティック発酵は行いません。わずか4haの畑から生み出されるシャンパーニュは年間平均4万本。
『最も心に留めているシャンパン・ハウスのひとつ』RJ
非常に小規模な蔵ゆえに知名度は低いですが、これまで8,500種以上のシャンパーニュを試飲してきた評論家リチャード・ジューリン氏が『最も心に留めているシャンパン・ハウスのひとつ』と3ツ星評価する優れた造り手です。彼は著書の中でリシャール・フリニョーをこう評しています。「オークは使っていないが、フリニョーのワインのリッチさはボランジェを思わせる。このシャンパーニュは酸フェチやエレガンスを見出そうとしている人向きではない。フリニョーの偉大さは、この小さな町からのものがそうあるべきであるのとちょうど同じように、パワーと味わいの豊かさを基としている」。彼の言葉通り、リシャール・フリニョーの魅力は豊かな果実と大らかさ。アイの特性を十二分に発揮したシャンパーニュなのです。
2015年より、マルイユの畑のブドウは全てネゴシアンへ販売し、さらなる高品質を目指すべくアイのブドウのみを使用したシャンパーニュ造りに方向を転換。この頃から遺産相続で兄弟ともめており、ジェムスは自分のシャンパーニュを造り続けるため母ナデージュと二人体制となる新生リシャール・フリニョーを2018年に設立。さらに非常に小規模であるが個人名を冠した二つのワイナリー(ジェムス・リシャールとナデージュ・フリニョー)も作り、プレステージキュヴェの生産に情熱を捧げています。ますます注目度の高まる彼らのシャンパーニュを決して見逃さないでください。