ドメーヌ ラ スマド ラストー 2019
フレデリックが表現したかったエレガントさやフィネスを感じられる 1 本
ワイン造りはステンレスのオープンタンクで伝統的な方法で行います。発酵温度は25〜30度で、醸しは14〜18日間行います。ステンレスタンクで澱と共に18ヶ月熟成させます。心地よい果実味が中心にあり、フレッシュで、柔らかいフィニッシュ。
テイスティング コメント
濃いルビーレッド / ガーネット。香りは赤い果実やプラム、ブラックチェリーのアロマとガリーグ、ペッパー、甘草、シナモン、仄かなスモークのノート。味わいはフレッシュでなめらか。スパイシーなニュアンス持つ瑞々しさが特徴で、調和のとれたエレガントな酸味が味わいを支える。高いアルコール分にも嫌みがなく、丸くしっとりとした口当たり。非常にバランスのよい仕上がり。ピュアで、柔らかなフィニッシュ。
合う料理 肉・魚・野菜のグリル、ビーフシチュー、豚しゃぶ、サラミなど。
2022年9月試飲(2018年ヴィンテージ)
ドメーヌ ラ スマド
次代と共にスタイルも進化し続けるラストーのトップ生産者
コート デュ ローヌのラストー村でワイン造りをするドメーヌ ラ スマドは古い樹齢の樹から素晴しいワインを造っており、その品質には目をみはるものがあります。1979 年にアンドレ ロメロがドメーヌを設立し、1990 年には自家葡萄園元詰めをスタートしました。1996 年からは息子のフレデリック ロメロもドメーヌに加入し、2002 年に現在のワイナリーを建設しました。この年に大きな変革が起こります。その当時から、また現在でも有名なエノログである、ステファン ドゥルノンクールとそのチームがコンサルタントとして迎え入れられたことから、スーパースターへの階段を駆け上ることとなりました。その当時は、バリック熟成を用いた、いわゆる筋肉質でパワフルなワイン造りが主流でした。15 年経過した現在もドゥルノンクールのコンサルタントは続いていますが、フレデリック ロメロを中心として、時代が求めるスタイルへの転換を今まさに行なっているのです。
バリックからフードルに替え、フィネスを生かす
設備では、円錐形オープンタンクを醸造用に導入。タンクの底面積より上部が狭いため、アルコール発酵中に容量が増えても果帽が押しあがらずに、ジュースだけが果帽の上に上ります。また、液抜きした際、下の広い面積に果帽が落ち壊れて空気とも混ざり合います。また、以前は主流だったバリックを、’10VTからフードル(40hL、12hL)に変更しています。「樽香が強いと、フィネスが隠れてしまう」と、フレデリクは語ります。
ワイン造り
9月に手摘みで収穫し、選果テーブルで選別します。80%を除梗します。発酵槽に葡萄を入れる段階で、キュヴェごとに葡萄をブレンドします。フレッシュさと果実味を得るために、14度まで温度を下げ、3日間コールドマセラシオンをします。発酵は26度で行います。ピジャージュ、ポンピングオーバーは15日間毎日行います。ピジャージュは機械を使っています。フリーランジュースのみを使い、プレスジュースは売ってしまいます。樽は、オーストリアのストッキンジャー製の3年以上使ったものを使用しています。また、セメントタンクは、ステンレスタンクよりナチュラルにキープ出来ると考えています。バトナージュはしません。瓶詰1ヶ月前にブレンドし、清澄はせず、フィルターは軽くかけます。
評価
ロバート パーカー氏は「バイヤーズガイド」で、ラストーで唯一の5ッ星生産者として絶賛し、ヒュー ジョンソンも「ポケット ワイン ブック2019」でその名を上げています。
「現在は息子に助けられているアンドレ ロメロはラストーでは重要な生産者であり、このテロワールで最も魅力的な大使の一人である。それにしても、ラストーがなぜボーム ド ヴニーズやヴァンソーブルと同時にクリュに格付けされなかったのかと、行政の無益さを考えさせられる。長い間、彼のワインはその力強さとタンニンの硬さによって強い印象を与えていた。しかし、アンドレ ロメロがボルドーのステファン ドゥルノンクールにアドヴァイスを求めてからは、誠実さや活力や力強さを失うことなく絹のようなテクスチャアを兼ね備えることに幸運にも成功した。」ベタンヌ&ドゥソーヴ「フランスワイン格付け」