シャトー ベルグラーヴ 2000
テイスティング コメント
濃いガーネットの色調。香りはブラックチェリー、甘草、ドライハーブ、スパイシーかつスモーキーなオークのノート。煎りたてコーヒーのような香ばしさ。杉やタバコ葉、メンソールのような香りも現われる。味わいはしなやかで適度なタンニン、心地よい酸味、バランスがとれている。層を感じつつ繊細で、味わいの中に抑揚を感じる。口当たりがよく伸びやかで、エレガントな余韻。
合う料理 フィレ肉や鴨肉のロースト、ジビエ、牛スジの赤ワイン煮込み、茸のリゾットなど。
2024年3月試飲
シャトー ベルグラーヴ
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
大企業ドゥールト社(ボルドーではC.V.B.G.で知られている)が1980年にこのシャトーを買収した時、ここはメドックで最も忘れ去られたシャトーの1つだった。同社は巨額の投資をして、今では上客用の宿泊施設まで完備する。シャトーのお手本のような存在となっている。ミシェル・ロランが、醸造コンサルタントとしてブドウ畑の大幅な植え替えを行い、例外的に高かったメルロの比率を低くする一方で、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を高くした。
とはいうものの、リブルヌの有名なエノロジスト、ミシェル・ロランがワインづくりに助言を与えるために迎えられるまで、ここのワインには注目に値するような改善は見られなかった。ロランが迎えられて以来、ベルブラーヴは色と深みとブドウの完熟感を増すようになった。
私としては、ベルグラーヴが質的に五級シャトーにふさわしいと言えるところまでよくなるのか、いまだに半信半疑である。とは言っても、2000年は私がテイスティングした中で最上のベルグラーヴである。