テール デトワール キュヴェ ギョタク 2022
「お寿司に本当に合うワインは何か?」
赤坂のレストランで長年シェフを務めていた由佳さんは、夫クリストフとともに長年このテーマに取り組んできました。「一口にお寿司に合うと言っても、お魚だけではなく、酢飯、わさび、しょうゆ、ガリとも合わなくてはなりません」。研究を重ねた夫婦が辿り着いたひとつの結論は、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、ピノ グリ、ピノ ブランの5品種のブレンドでした。「ブレンド比率は企業秘密です。ヴィンテージによって比率も変わります」。地元ユナウィールとリボーヴィレの畑から。粘土石灰質土壌。平均樹齢30年。収量は約50hl/ha。フードルで醸造。尚、このワインは、アルザスの伝統的呼称における、いわゆる「gentil (ジャンティ、ジョンティ)」(50%以上貴品種を使用したブレンドワイン)です。
テイスティング コメント
淡いゴールドの色調。香りはシロップ漬けのオレンジ、白桃、リンゴ、白い花のアロマが広がり、ジンジャー、ほのかなスパイスのニュアンスがアクセント。香り高く、蜂蜜の香りが感じられ、エキゾチックでエレガントな趣がある。口に含むとフレッシュでなめらか。丸みのある柔らかな酸とのバランス。果実のボリュームを感じつつ、ややとろりとした質感をもつ。しっとりとした旨みがあり、僅かな残糖が心地よい(やや辛口)。寿司、シーフードはもちろん食前酒、エキゾチックな料理、野菜の天ぷらとの相性も抜群。
2024年5月試飲
テール デトワール
コルマールより北に10km、ユナウィール村に1930年頃創業したドメーヌで、1995年に3代目となるマルクとクリストフの従兄弟コンビが継承しました。早1998年にはビオロジック栽培を開始し、翌1999年よりビオディナミに転換、2013年に「demeter」の認証を取得しています。
2002年、赤坂のフランス料理店でスー シェフを務めていた由佳さんがクリストフと結婚。以降、マダムとしてドメーヌを切り盛りしながら、アルザスと日本の懸け橋として活躍しています。
「ビオディナミにしてから、鹿やイノシシが畑に入ってくるようになりました。それと、畑に野生のチューリップが咲いたり、野いちごが実るようになったんですよ」。
「アルザスはぶどう品種のバラエティが豊かで、和食はもちろん、多種多様なお料理に合わせることができます。そのマリアージュの楽しさ、そして美味しさを、ひとりでも多くの方に知っていただければと思います」(由佳 ミットナット)。
2019年8月、従兄弟は別々の道を歩むことになり、クリストフと由佳さん夫妻によって、新ドメーヌ「テール デトワール(「星々きらめく土地」)が設立されました。仲良く半分ずつに分けられた畑より、惑星をイメージした新ラベルにて、新生ミットナットが始動します。(尚「キュヴェ ギョタク」のラベルデザイン及び生産・販売権は、「テール デトワール」のみに承継されております)。