アンヌ・グロ オスピス・ド・ニュイ ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ レ・ヴィニュロンド 2014
ドメーヌ・ルロワが所有する区画の隣の区画。
【テイスティング・コメント】
エッジが赤紫がかったダークルビー。粘性は中程度より高め。アロマは野性味のあるラズベリーやカシス、チェリー、バラ、ドライハーブ、リコリスが混じり合う。樽香は上品でバニラやクローブ、シナモン、軽いトースト、黒砂糖、お香を思わせ、凛とした品格を保つに十分なスパイスと洗練されたミネラルを含む。そして、徐々にラムやブランデーに漬け込んだ果実のような魅惑的な甘さが広がる。アタックはソフトでなめらか。ミネラルを伴う濃密な果実味でアルコール感のある力強い酒質、しっかりとした骨格をもつ。果実味自体は予想以上に柔らかで、ストラクチャーのバランスに優れている。まろやかなコクと官能的なボディ感、余韻は長く一貫してエレガントな仕上がり。飲み頃に入ったばかり(2017年9月)、早めの抜栓かデカンタージュがおすすめ。合わせるお料理は、牛・ラム・鴨肉のロースト、スペアリブ、ジビエ、ウォッシュチーズなど。
※2017年9月試飲
■ドメーヌ・アンヌ・グロ
グロ家の歴史はニュイ・サンジョルジュの町から2キロほど離れたニュイの丘の上にあるショーという小さな村で、1804年に生まれたアルフォンス・グロにより、1830年に設立。2代目ルイ・ギュスターヴ、3代目ジュール、4代目ルイ。長い歴史とともに所有畑を拡大し、信頼のおけるドメーヌへと地位を確立しました。
1951年ルイ亡き後、畑は4人の兄弟によって、3つに分割されました。グスタフとコレットの共同経営によるドメーヌ・グロ・フレール・エ・セール、ドメーヌ・ジャン・グロ、そしてドメーヌ・フランソワ・グロ。
フランソワの娘であるアンヌがドメーヌ経営に参加し、ドメーヌ名をアンヌ・エ・フランソワ・グロに改名。その後フランソワ引退により、ドメーヌ名をアンヌ・グロとしました。ボーヌとディジョンで醸造を学んだ後、ブルゴーニュ人には珍しく、オーストラリアでワイン造りの修業もするなど意欲的な彼女。ブドウとテロワールを尊重し、有機農法に準じた農法を実施しています。
★生産されるワインは、リリース前から全量行き先が決まっており、入手が困難なドメーヌの1つです。
「ワイン・バイヤーズ・ガイド ブルゴーニュ」に掲載
以前は、ドメーヌ・アンヌ・エ・フランソワ・グロとして知られていたこのブドウ園は、信じられないほど凝縮した、エキス分の豊富なワインを生産している。1995年と1996年のヴィンテージのワインは、インクのように濃い色合いで、構造がしっかりしており、内向的だったので、私はその完璧なるサイズに敬意を払いはしたものの、寝かせることによって、どんな結果を引き起こすのだろうかと懸念を抱いた。というのも、このスタイルのワインは、前例がないからである。
しかしながら、優雅で、聡明で、魅力的なアンヌ・グロは、1997年には、そのトレード・マークである果実味の詰まったスタイルはそのままに、ずっと魅力的で、飲みやすく、しなやかなワインを造り上げた。私は、グロ夫人を諸手を挙げて信頼しており、このドメーヌの未来がすばらしく明るく輝いていると信じて疑わない。(ロバート・パーカーJr.著 「ワイン・バイヤーズ・ガイド ブルゴーニュ」より)