ドメーヌ・アルヌー・ラショー ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ レ・ショーム 2016
レ・ショームは、特級のラ・ターシュと一級のマルコンソール、そして一級のクロ・デ・レアに隣接する恵まれた区画!
斜面下部のため傾斜は緩く粘土がち。そのおかげでボディのしっかりしたワインが生まれます。
テイスティング・コメント
濃い紫・ルビーの色調。繊細なスパイスの香りを基調に、クランベリーやブラックベリー、キルシュ、清々しいハーブの香りが混ざり合う。続いてバラやスミレなどのフローラルな香り。若々しいが引き込む魅力的なアロマで、気品が感じられる。そして下草、ミネラルの香り。僅かに石や大地のニュアンスも。口に含むと力強くしっかりとしたボディ、強靭なミネラルが背景にあり爽やかな酸味が調和。舌触りはビロードのようになめらかで、程よく肉付き徐々に果肉感が増していく。丸みがありミディアムからフルボディで、現時点で若いが十分な広がりがある。純粋で、オークの要素が心地よくシナモンやバニラのフレーヴァーがアクセント。まろやかで、気品あるヴォーヌ・ロマネにあってパンチが効いている。合わせるお料理は、ジビエ、仔牛や仔羊のロースト、牛のタタキ、鴨鍋、赤身マグロの醤油漬け、ベーコン、茸のリゾットなど。
2020年3月試飲
ドメーヌ・アルヌー・ラショー
ヴォーヌ・ロマネの名門ロベール・アルヌーが2008年に改称
アルヌー・ラショーは、ヴォーヌ・ロマネの名門ドメーヌとして名高いロベール・アルヌーが2008年から改称したものです。先代のロベール・アルヌーは父の死に伴い、26歳の若さでドメーヌを継承。もともとロベールの両親はともにヴォーヌ・ロマネの出身でいくらかの畑を所有していましたが、それを大きく広げたのはロベールでした。その後、3人の娘に恵まれましたが、跡取りとなる男子がいなかったので、末娘のフローランスが婿をとりドメーヌを継ぎます。その婿こそ、前当主のパスカル・ラショーです。
パスカルは87年にフローランスと結婚。もとはボーヌの薬剤師でワイン造りとは無縁の家系でしたが、結婚後、ブドウ栽培とワイン造りを学びドメーヌで働くようになります。95年にロベールが他界して以降はパスカルとフローランスのふたりでドメーヌを切り盛り。カーヴの拡張、醸造施設の改装、そして畑もさらに増やし、2008年にはラトリシエール・シャンベルタンをラインナップに加えました。
ヴォーヌ・ロマネがお膝元だけに、この村とニュイ・サン・ジョルジュを中心に数々のクリマを所有します。特級はロマネ・サン・ヴィヴァン、エシェゾー、クロ・ド・ヴージョ、それにラトリシエール・シャンベルタンとじつに豪華。ドメーヌが所有する畑の総面積は13ヘクタールを超えます。
ブドウ栽培はリュット・レゾネ。手摘みでブドウを収穫し、ブドウは破砕せずに低温マセレーションの後、ステンレスタンクで自然発酵。樽熟成期間は平均14ヶ月で、新樽の比率は村名で20〜25%、一級畑で30〜50%。特級は100%新樽ですが、ヴォーヌ・ロマネ1級のオー・レニョとレ・シュショにも100%の新樽を用いています。
こうして造られるアルヌー・ラショーのワインは、なんといってもバランスが良い。果実味が過ぎたり、樽香が強すぎることもなく、しかし、十分な凝縮感を伴っています。
ブルゴーニュ・ルージュはラベルにピノ・ファンとあるとおり、畑の中で選抜した小粒の実のなる優良株を増やしたマサル・セレクションによるものです。ドメーヌのラインナップの中でもひときわお買い得なワインです。また一級のレ・シュショは特級並みのポテンシャルをもつ逸品として知られています。
現在は、2011年からはドメーヌに参画した長男のシャルルが6代目当主として切り盛りしています。