トルヒーヨ カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2011
トルヒーヨのラベルには、熊と羊がデザインされています。これはカリフォルニアの州旗にある熊の絵と、マイケルが生まれ育ったコロラド州のシンボルが羊という事から用いられています。また、塔の絵の部分が3つの凸凹になっているのは、ワインメーカーとして30年を区切りに自身のブランドをおこしたという事で、3つになっています。同様にラベルの端に3つ切り込みがあるのも同じ意味です。
ナパ・ヴァレーの葡萄100%(ラザフォード、ハウエル・マウンテン、セント・ヘレナ)
熟成:22か月 フレンチ・オーク樽(新樽85%)
【テイスティング・コメント】
赤紫がかったエッジの濃いガーネット。黒みが強く深い色調。粘性は高め。香りにはブラックベリーやブラックチェリー、プラムなどの果実にクローブやシナモン、ペッパーなどのスパイス、杉、リコリスのヒント。樽由来のバニラやビターチョコ、エスプレッソなどの芳しい香りがアクセントとなり、ドライフルーツ的要素のある落ち着いた印象から深淵へと引き込む重厚な奥行が感じられる。他にタバコ、皮革、土のニュアンスが現れ、更なる複雑性が増す。アタックは強くしっとりとしたシルキーな舌触り。果実味は凝縮度が高く濃厚で黒系果実を中心とした辛口、スパイスやチョコ、トーストなどのオークの要素が一体となる。豊富なタンニンが絡み合うふくよかなボディを繊細で上品な酸味が支えるしっかりとした構造。幾重にも層を成す風味の広がりとともにアルコール感が漲る力強い酒質を誇る。豊満でタニック、飲み応えのあるフルボディ。余韻は長くエレガント、果実とオークのフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は、赤身肉のステーキやスペアリブ、コクのあるチーズがオススメ。
※2016年2月試飲
■トルヒーヨ
マイケル・トルヒーヨは、先祖代々受け継がれる土地で、羊や牛に加えて干し草、大麦、野菜などの農業に従事しながら農場で育ちました。彼の祖父母はロッキー山脈のコロラド州に定着したスペインからの初期入植者でした。彼らは農業を中心とした豊かな場所で子供たちを育てました。マイケルは若い頃から、農場で働くことの価値と報酬を学んでいました。彼曰くは、「私は常に何かしら行動していました。4歳の頃からすでに、牛に焼印を押したり、干し草のトラックを運転していました。農場での作業で、昔から伝わる手に職の技術の習得、農具を修繕することの愛着、不安定な気候の元でいかに作物を育てるかということ等を教わりました。後にこれら全てのことが、ブドウの栽培とワインメイキングの手順の準備となってくれたのでした。」と。
マイケルがワインメイキングへの情熱を持ち始めたのは、1980年代に彼が技術者として学んでいた学生時代の春休みでした。車でカリフォルニアへ向かう途中、ナパ・ヴァレーで小さなワイナリーを所有している友人家族の家に宿泊することになります。これが人生を変える出来事でした。マイケルは、ジム・アレンや彼の兄弟スティーブと共に、ラザフォード・ベンチ沿いのセコイア・グローブ・ヴィンヤードで植樹を手伝いました。
ナパを代表する数々のワインを手掛けるスペシャリスト
今日、マイケルはセコイア・グローブ・ワイナリーのワインメイキングの責任者であり、社長として従事しています。また、カディエム・セラーズのワインメーカーであり共同経営者で、それ以外にもハーブ・ラム・ヴィンヤード、マテッラ/キューナット・ヴィンヤードのコンサルタント・ワインメーカーを兼任しています。彼の初期の頃のワイン事業への賭けであったカール・ローレンス・セラーズは成功を収め、彼の手掛けるワインは継続的に賞賛され、熱狂的ファンが後を絶ちません。
彼の名前のついたこのワインは、幾つかのナパ・ヴァレー最上のブドウ畑からブレンドしています。栽培家と密接に働くことで栽培の手腕が上達し、年を経るごとに収穫されるブドウはより注目すべき品質となっています。トルヒーヨ・カベルネ・ソーヴィニヨンは、マイケルの歴史、知識、経験を現実化したものであり、彼の人一倍強い畑への愛情と30年以上のワインメイキングに携わる熟練を伝えてくれるワインです。
「トルヒーヨ」ブランド
ワインメーカーとして30年を迎えるにあたり、自身のブランドでワインを造りたいという事で実現させたのが、この「トルヒーヨ」。もともと、ナパの畑を知り尽くしている彼ですので、良い畑の良い区画と契約をし、丁寧に葡萄を管理してワイン造りを行っています。