コンティ・ゼッカ ドンナ・マルツィア シャルドネ・バリック 2015
醗酵:ステンレス・タンク(マロ・ラクティック醗酵無し)
熟成:オーク樽(アメリカン225L、新樽100%)3ヶ月
【テイスティング・コメント】
明るいイエロー。粘性は中程度からやや低め。アロマは力強く、熟したグレープフルーツやピーチ、カリンのコンポート、金木犀、カルダモンを思わせ、木樽由来のバニラやトースト、鉱物、ミネラルのニュアンスが混じり合う。華やかでとてもフルーティーな印象、シンプルながら厚みが感じられる。アタックはソフトでなめらか。凝縮した果実味と豊かな酸とのバランスがよく、程々のボディ感、キリリとした引き締めをもつ。トロピカルな風味に溢れたふくよかなボディにもピチピチとした爽快な酸がエレガントな飲み心地を演出。味わいとしてはドライ、アフターフレーヴァーには樽感もあり、カジュアルレンジながらリッチな余韻が楽しめる。合わせるお料理は、豚肉のソテーやローストチキン、帆立のカルパッチョ、アヒージョ、れんこんの海老はさみ揚げなどがおすすめ。
※2016年10月試飲
■コンティ・ゼッカ
伝統と革新。伯爵家によって所有される、由緒あるワイナリー
ギリシャ、トルコ、アラブ、アルバニア。いろいろな人種が入り混ざり独特の文化を生み出したプーリア州。古代フェニキアの時代からワインが造られてきた歴史のある土地、プーリア州サレント半島に昔から公爵家として門を構える「ゼッカ・ファミリー」。500年にわたるワイン造りの歴史をもち、古くからフランスやイギリスとの貿易を行ってきた由緒あるワイナリーです。大量消費ワインの生産地から高品質のプレミアムワインを産み出す地域へと着実に変貌を遂げつつあるプーリアにおいて、コンティ・ゼッカはまさに次世代のリーダーとなる存在です。
1935年、現当主の祖父であるアルチビアデ・ゼッカ伯爵は、自社畑で栽培されたブドウを原料としてワインの醸造を開始し、本格的にワインビジネスをスタートさせました。その当時、レヴェラーノの地に於いて最新の醸造設備を導入したワイナリーを建設。このファミリーの事業はサレント地方のワイン生産を代表する拠点となりました。
アルチビアデ伯爵の息子であるジュゼッぺ伯爵は、それまでの古いタイプの集落的醸造所から、より近代的な醸造施設を建設しました。ワイナリーでは生産の増大を図るため、ワインセラーや瓶詰めラインを導入。この地方での瓶詰め元としての先駆け的な存在となりました。このころから、自社ブドウ農園の名称をワイン名に冠し、第一号として記念すべきドンナ・マルツィアが誕生したのです。
現在は4人兄弟により運営されており、現当主のアルチビアデ、フランチェスコ、ルチアーノ、マリオは、力を合わせて家族の伝統、ワイン造りに献身的に従事しています。所有する4つのエステートの畑の土壌を徹底的に分析し、それぞれの土地に最適な葡萄を栽培。自社畑で収穫された葡萄のみを使用し、プリミティーヴォ、ネグロアマーロといった南の地ならではの土着品種の魅力を最大限に生かし、機械化のプロセスを理想的に取り入れ、コスト・パフォーマンスに優れた、高品質のワインづくりを行っています。
長男のアルチビアデがエノロゴ兼アグロノモ
ペルージャ大学(農学部)卒業。今も昔も、ペルージャ大学の農業科はイタリア国内で最高の大学と言われています。彼はアグロノモだけでなく、エノロゴでもあります。
並々ならぬ情熱のエノロゴ、アントニオ・ロマーノ氏
コンティ・ゼッカ社は、アントニオ・ロマーノ氏のワイン造りに対する並々ならぬ情熱もさることながら、彼が醸造生産から商業的な側面にまで細心の注意を払ってくれていることに感謝しています。ワイナリーに係わる全ての点において、必ず両者の同意のもとに決断するようにしています。(エノロゴのポリシー)コンティ・ゼッカのワインのクオリティは自社畑で栽培されたブドウの品質に由来します。この品質を醸造所とワイナリーで維持することです。
プーリアで家族経営としては最大規模、化学薬品は使わない
プーリア州では、家族経営ワイナリーとして最大規模を誇り、所有畑は320haに及びます。広大な自社畑を所有し、自社畑のブドウでワイン造りを行っています。また、ワイナリー内に研究所(分析所)を設けており、地元の大学と専門機関で共同研究&リサーチを行っています。畑ではボルドー液のみ使用、普段は防腐剤などの化学薬品は一切使用していません(但し、万が一の場合は使用を検討する場合もあります。)